「KIZI」の“生”生地でリアルなゲームやVRoidを【TGS2024】
東京ゲームショウ2024(TGS2024)のビジネスソリューションコーナーにはクラウドやセキュリティなどゲーム制作を下支えする企業が多数出展しているが、異彩を放っていたのがリアル生地のデジタルデータ販売サービス「KIZI」を運営するBird fab studioのブースだ。 【関連画像】テクスチャーデータの販売ページ。単品購入のほか、個人向けやプロ向けのプランも用意 TGS2024のビジネスソリューションコーナーにはクラウドやセキュリティーなどゲーム制作を下支えする企業が多数出展しているが、異彩を放っていたのがリアル生地のデジタルデータ販売サービス「KIZI」を運営するBird fab studioのブースだ。 KIZIは、生地メーカーから提供された生地をスキャンし、ゲームなどで利用できるデジタルデータとして販売するサービス。 現在は6000を超えるテクスチャー(生地)データが販売されており、それぞれ透過性、光沢、粗さ、色といった生地の特性をリアルに表現するために6つのマップデータで構成されている。透過性や透明度を制御する「Alpha(アルファ)」マップ、光の反射に基づいてモデル表面の細かい凹凸感を表現する「Normal(ノーマル)」マップ、凹凸や形状の高低差を作るための「Displacement(ディスプレイスメント)」マップ、光沢や反射の強さを制御する「Specular(スペキュラー)」マップ、表面の粗さを制御する「Roughness(ラフネス)」マップ、モデル表面の基本的な色や模様を提供する「Color(カラー)」マップの6つだ。 「大手のゲームメーカーからも問い合わせがきている」と、Bird fab studio代表取締役の上羽英行氏は手ごたえを感じている様子。「某ゲームではリアルを追求しているが、デジタルでどれだけリアルを表現しようしても不可能だと聞いた。そういうところに需要があると考えている。購入したデータは柄や凹凸感などの改変も可能。『BOOTH』というサイトでも生地を販売しており、VRoid(ブイロイド=人型3Dアバター)の制作者などが購入されている」(上羽氏) 厳しい状況下で廃業する生地メーカーもあるなか、「眠っている生地に価値を持たせて収益につなげられないかということでスタートした」と上羽氏。3Dプリンターで家の内装に使ったり、実際のファッションにも使えるという。低解像度ながら価格が安い「単品購入(150円~)」のほか、高解像度版をまとめて安く購入できる「個人プラン(3900円~)」、プロフェッショナル・法人向けの「チームプラン(6万6000円~)」を用意している。 (文・写真/安蔵 靖志) なお、日経クロストレンドでは「東京ゲームショウ2024特設サイト」を公開中です。ぜひ、ご覧ください。 ・日経クロストレンド「東京ゲームショウ2024特設サイト」 https://xtrend.nikkei.com/sp/tgs/
安蔵 靖志