【渡辺満里奈と苦手な片付け】部屋の乱れは心の乱れ。50代の片付けは終活への第一歩?
育児や家事、仕事などで時間に追われる毎日。さらに追い討ちをかけるのがホルモンバランスの変化や更年期などによる心身の乱れ。子どもは言うことを聞かないし、天気が悪いと体調を崩すし、SNSからはなんだか不穏なニュースが流れてくる……。残念ながらオトナの女性にとって「不機嫌」にならざるを得ないことが世の中には溢れています。 【写真をもっと見る】50代・渡辺満里奈が眼鏡をかけて編み物をする姿 デビュー当時からずっと変わらないハッピーな雰囲気を纏い、タレントとして幅広くテレビやラジオで活躍中の渡辺満里奈さん。2005年にお笑い芸人の名倉潤さん(ネプチューン)と結婚。健やかに育った息子さんと娘さんは現在ともにティーンエージャーに。家事に仕事にと充実しつつも、忙しい毎日を送りながら、常に笑顔で幸せオーラで輝いて……。 そんなハッピーなイメージの満里奈さんも、50代に突入。実は私たちと同じで「不機嫌」だった!? オトナになるのは、誰もが初めてのこと。肉体的にも精神的にも初めて訪れる変化に不安を感じる女性たちにそっと寄り添い、一緒に闘ってくれる満里奈さんのエッセイ! 今回のテーマは「片付け」について。 実は片付けがとっても苦手という満里奈さん。見るたびに不機嫌になってしまう乱れた部屋を前に一念発起! 重い腰を上げて、一歩踏み出す!?
片付けと不機嫌
我が家を建てた16年前。私は今よりももっと手芸にハマっていて、創作意欲もモリモリあり、家を建てるなら小さな小さな手芸部屋が欲しいと熱望し、3畳くらいの部屋を作りました。生地などを整理するための棚をたくさん作り、毛糸や素材などをしまう素敵なカゴの引き出しなんかも入れたりして、夢の手芸部屋は完成したのです。光をたくさん取り入れられるように壁にガラスブロックを嵌め込んだ部屋はさながらアトリエ。「さあ、ここでたくさん作品を作るぞー」と心は弾むばかりでした。 新宿の『オカダヤ』や蒲田の『ユザワヤ』、鎌倉の『スワニー』などに足を運んでは、まだ作る予定もないのに気にいった生地や毛糸、細々した副資材を買い込み、『ラ・ドログリー』などの輸入毛糸屋さんに胸をときめかせて“作る予定のない”セーターやマフラーを思い浮かべては毛糸を買い込んだりしていました。子どももふたりになり、プレスクールや幼稚園に通い始めたりするときにはアップリケやリボンを買って、張り切って手作りのバッグを量産し、娘にはワンピースやスカートを作る。手芸の連載もしていたので、その作品をコツコツ作る。私の手芸への意欲は尽きることがありません。しかし……。 必要以上の生地や毛糸や、編み棒やら刺繍の道具。おまけに手芸以外にも増え続ける物・モノ・もの……。手芸の本やそれ以外の本。幼稚園や学校のお手紙やら郵便物。ノートや可愛いメモ帳などの文房具。気づいた時には、えー、なんでこんなに物が増えるの!?というくらい増え続ける。ねぇ、どうして? 誰か教えてほしい(いや、ここまで読めば誰でもわかりますね、なぜ増えるのか)。いつしかそこで作品を作ることはなくなり、夢の手芸部屋はほとんど物置のようになっていきました。部屋の乱れは心の乱れ。心象風景が表れているとかなんとか。そんなことを考えつつもその物置状態から目を背け続けたのです。この連載を読んでくださっている方々はもうお気づきとは思いますが……私、片付けが非常に苦手なのです!