旧二条城跡に「第3の堀」将軍義昭が信長怖さに急造!?
フロイスは信徒情報網を持つ国際特派員?
フロイスとはどんな人物だったのか。「フロイスは日本語も堪能で、仏教嫌いの信長の信任を得て、さまざまな場所への出入りを許されていた。布教で知り合った信徒たちの情報ネットワークが、フロイスの綿密な取材活動を支えていたのではないか」(家崎代表) 天下統一へ突き進む信長と、反信長勢力の糾合を狙いながらも劣勢は否めない将軍義昭。蜜月時代もあった両者が、火花を散らす権力闘争の一瞬を、戦国乱世の国際特派員ともいえるフロイトが、臨場感あふれるタッチで描写していたわけだ。フロイスのおかげで現代人は、信長を心底怖れる義昭の苦悩や焦りまでを、発掘現場で読み取ることができる。 奈良から訪れた30代の歴女コンビは、歴史上の人物を神聖視することなく、生身感覚で接しているという。「著名な武将たちが、書簡で武将の悪口を言い合っているところなどが、正直で面白い」「義昭と信長の葛藤も人間くさくていい」などと、独自の人間観察眼を披露してくれた。発掘現場のリアルな発見を手掛かりにして、想像力の翼を広げて歴史群像劇の世界で遊ぶのもいいだろう。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)