県議会議員定数どうなるの? 人口多い隣県よりも多い議員に改選のたび目につく無投票 要検討の声は上がるも会開催はわずか2回 進まぬ議論に問われる「本気度」
2027年の次期鹿児島県議選に向けた定数や区割りの議論が進んでいない。前回選挙のあった23年に「議員定数等検討委員会」を設置し、県議選1年前の26年3月までに結論を出すと決めたが、検討委の開催はわずか2回。吉留厚宏委員長(自民)は「相次ぐ県警不祥事や衆院選への対応で時間を確保できなかった」とし、1月中旬以降に議論を加速させるとしている。 【写真】現在の鹿児島県議選選挙区と定数
現行の県議会定数は51。「離島や過疎地の課題を県政に的確に反映させる配慮が必要」との理由で、条例で定める定数50に付則でプラス1としている。選挙区は21。吉留委員長ら8人と、オブザーバー2人の検討委員は、(1)総定数(2)選挙区割り(3)選挙区別の定数-の3項目を議論する方針を確認している。 任期1年目の23年12月に検討委を設置したのは、これまで改選が迫る3年目に議論が集中していた反省を踏まえ、早期に議論する時間を確保するためだった。ただ24年は2月9日を最後に検討委は開かれず、次回は任期2年目の終了が残り約3カ月に迫る25年1月17日の予定。「有権者に示しがつかない」と指摘する県議もいる。 定数や区割りは改選のたびに議論しているが、11年県議選から4回連続で同じ枠組みで実施されている。10年国勢調査と直近の20年調査を比べると、県人口は12万人近く減って158万8000人に。他県では人口減少を受けて定数削減が進み、鹿児島より人口の多い熊本(173万8000人)が定数49になるなど「逆転現象」も起きている。
鹿児島では、死に票が多い1人区が半数超の11。多様な意見が反映されにくいと指摘され、無投票も目立つ。1票の格差是正など他の課題も山積する。 検討委が結論を出すと決めた26年3月まで、残り1年3カ月。吉留委員長は「鹿児島は南北600キロにまたがり人口だけで単純比較できない。委員の意見をしっかり聞いて結論を出したい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島