上級サルーンに「求めるほぼすべて」 メルセデス・ベンツEクラス E 220Dへ試乗 走りの充足度も◎
EクラスがW214型の6代目へモデルチェンジ
メルセデス・ベンツEクラスが、W214型の6代目へモデルチェンジした。英国へ導入されるサルーンには、エアサスペンションと後輪操舵システムが備わらないという。また高度な自律運転システムも、非合法ということで利用できない。 【写真】上級サルーンに「求めるほぼすべて」 メルセデス・ベンツEクラス 競合クラスのサルーンと比較 (113枚) エアサスが備わらないとしても、乗り心地は決して悪くない。1985年にAUTOCARで試乗した、W124型メルセデス・ベンツ300 Eの頃から、一貫して快適といえた。それでも、コイルスプリングのそれが多少劣ることは間違いない。 同社は約40年の経験から、英国市場の顧客が望むものを理解し、導入する必要がないと判断したという。しかし、疑問は残る。 筆者は、オプションでエアサスを選べるようになれば、新しいEクラスの魅力は更に高まるだろうと考えている。プレミアムなメルセデス・ベンツには、他を凌駕する快適性を求める人も多いのではないだろうか。 Eクラスの英国価格は、エントリーグレードに当たるE 200 AMGラインで5万5290ポンド(約1023万円)から。今回試乗した、E 220d AMGライン・プレミアムプラスでは、6万8785ポンド(約1273万円)へ上昇する。 E 450d 4マティック・エクスクルーシブエディションでは、8万6325ポンド(約1597万円)。同クラスのジャガーXFの方が、1万5000ポンド(約278万円)以上は安い。
非常に印象的な仕上がり 高級感に溢れる内装
そんなお高めの価格へ納得させるように、新しいEクラスの仕上がりは非常に印象的。インテリアは高級感に溢れ、製造品質も高い。内装の素材も高水準で、シートの座り心地も素晴らしい。各所に収納スペースが用意され、実用性も忘れていない。 ダッシュボードにはトリムグレードによって、インフォテインメント用とメーターパネル用に独立した2面の大きなモニターか、スーパースクリーンと呼ばれる、ほぼ全面がモニターに見える3面構成が装備される。 ちなみに、スーパースクリーンが標準設定でも、希望すれば従来的な2面構成へ変更できるそうだ。 2面のモニターへ別れていても、一部のメルセデス・ベンツのように、ダッシュボードへiPadが固定されているようには感じられない。同社独自のMBUXシステム・ソフトウェアは高機能で、非常に扱いやすい。 ただし、エアコンの操作もタッチモニターを介することは、モニターの仕様に関わらず共通。車載機能の使いやすさという点では、改善の余地はあるだろう。 ダッシュボードには、ドライバーの顔を映すカメラが内蔵されている。現状では、WEB会議システムのズームを利用できるそうだが、今後対応サービスは増えるとのこと。