【ライブレポート】ゴールデンボンバーの現在を示す“新作”ライブ、豪華ゲストの祝福と新演出が彩った20年の軌跡
ゴールデンボンバーが1月7日と8日に結成20周年を記念したアリーナワンマンライブ「旧作-kyusaku-」「新作-shinsaku-」を神奈川・ぴあアリーナMMで開催した。 【ライブ写真】喜矢武豊“フィフティ-パンティ”を達成(全27枚) 2004年に結成され、昨年20周年を迎えたゴールデンボンバー。アニバーサリーイヤーを記念した今回のライブは、活動初期の楽曲や演出を凝縮した1日目「旧作-kyusaku-」、近年の楽曲や新たな演出を取り入れた2日目「新作-shinsaku-」の2公演にわたって行われ、それぞれ全く異なる内容で集まったファンを楽しませた。この記事では2日目の「新作-shinsaku-」の模様をレポートする。 ■ 喜矢武豊が達成した“50”とは 黒を基調としたクールな衣装でステージに登場した鬼龍院翔(Vo)、喜矢武豊(G)、歌広場淳(B)、樽美酒研二(Dr)は、最初にいきなり新曲「シン・一曲目」を披露。ハードなEDMサウンドにあわせて観客が拳を突き上げるなか、続く2曲目に「一曲目」を投下するという流れで早くも場内をざわつかせる。「Hey Yo!」を歌い終えたあと、鬼龍院は「今日は新演出ばかりでやらせていただきます!」とこのライブのコンセプトを説明した。 喜矢武は2024年のさまざまなニュースを振り返り「一番気になったのは大谷翔平の“50-50(フィフティフィフティ)”ですよ。負けてられないので、僕なりの“50"を達成して皆さんに披露したい」と宣言。歌広場は「こちらがプロならそちらもプロ。皆さん、何が起こっても周りを巻き込んで大げさに笑ってください!」と観客の盛り上げに期待を寄せる。樽美酒は昨年ワコール「CW-X」のCM出演を果たした喜びを明かし「今日はCW-Xの新作について、わかりやすく説明します!」と呼びかけた。 続く「抱きしめてシュヴァルツ」のギターソロで、喜矢武はステージ上に並べられた50枚のパンツを重ね履きしていくという“フィフティ-パンティ”に挑戦。会場が爆笑に包まれる中、樽美酒は「W」「X」の文字を描いた尻を突き出してエアロバイクを漕ぐ「尻W-X」を披露し、ぴあアリーナをさらなる混沌に叩き落とした。なんとか曲中に50枚のパンツを履ききった喜矢武は「ずっとスクワットしてるからめちゃくちゃキツい……」とグッタリした表情で告白。その後も臀部が大きく膨らんだままの喜矢武にちなんで「首が痛い」の歌詞が「ケツがデカい」に変わったり、「イイね」で「“ケガ”には気をつけてね!」という鬼龍院の応援を受けてパルクールに挑戦した喜矢武が巨大な毛ガニに激突したりと、喜矢武の体を張った見せ場が続いた。 ■ HYDEからの祝福と疑問、そしてギャル曽根からの公認 ここでスクリーンではゴールデンボンバーへ豪華著名人から寄せられた、20周年の祝福コメント映像が紹介された。所属事務所ユークリッド・エージェンシーの石森洋社長や団長(NoGoD)に続いてHYDEが登場すると場内からはひときわ大きな歓声が上がるが、HYDEは喜矢武の日頃の言動に対し「自分をミュージシャンだと勘違いしているのではないか」と疑問を投げかける。さらに喜矢武の元恋人・ゆかりさんもモザイクをかけた映像で登場。「トークのネタに困ると自分を使うのはやめてほしい」と訴えつつ「20周年おめでとうございます」と祝福の言葉も寄せていた。 ライブ中盤に上演されたのは鬼龍院による書き下ろし脚本の演劇。主人公の鬼龍院は思いを寄せる高校の同級生・喜矢武の気を引くため、彼の好みのタイプを反映した筋肉系Vtuber・樽酒ケントとしての活動を始める。そんなケントに恋をした喜矢武は、彼との距離を縮めるために美少女Vtuber・広場うた子として接近。ひょんなことからうた子の正体を知ってしまった鬼龍院の恋路が「アモーレ」「振動」といった楽曲に乗せて描かれる。ケントに扮した樽美酒、うた子に扮した歌広場はVtuberのアバター役のため“中の人”である鬼龍院と喜矢武の動きをチラ見しながらトレースし、観客の笑いを誘った。ラストシーンでは鬼龍院が喜矢武の思いを受け止めるべく懸垂連続20回に挑戦。2人の黒子やケント、うた子に支えられて20回を強引に達成した鬼龍院は、演劇後には「がんばればできるもんですね!」と得意げな表情。さらに鬼龍院は「ひさしぶりにエグい女装を出せて満足です」とピンクの衣装に身を包んだ歌広場をアピールし、彼を「やだもうー!」とげんなりさせていた。 アリーナ後方のサブステージで「世界平和」を披露したあと「ガガガガガガガ」では、おなじみのギャル曽根Tシャツに身を包んだ喜矢武が横浜名物の肉まんの大食いに挑戦。わずか2個目で力尽きた喜矢武の傍らに、なんとギャル曽根本人がさっそうと現れてオーディエンスを驚嘆させた。驚異的なスピードで肉まんを平らげた“本家”に、鬼龍院は「まず謝ろう……」と15年以上にわたってネタにし続けてきたことを謝罪。しかしギャル曽根は「うれしいです、いつもありがとうございます! これからもお願いします」と笑顔で公認のお墨付きを与え、メンバーやファンを喜ばせた。豪華ゲストの登場でアリーナが盛り上がる中、本編ラストでは「暴れ曲」「かまってちょうだい///」といったキラーチューンが観客をさらなる熱狂へと導いた。 ■ 鬼龍院が叶えたファンのための誓い アンコールで鬼龍院は、本編で会場後方まで移動した場面を振り返り「これだけ大きい会場だと見づらいかもしれない。もっと僕の頭を大きくしないといけないと気付きました」と話しつつ、今回のライブのために新曲を用意したことを明かし、ファンを喜ばせた。疾走感と重厚さを併せ持つシリアスな新曲「リフォビア」を披露したあとは「君といつまでも」へ。間奏では鬼龍院が頭から透明な円柱をかぶり、上から注がれる水と光の屈折で頭を大きく見せるという演出でファンへの誓いを実現した。 都合3回も水をかぶった鬼龍院はさすがにダメージが大きかったのか、続く楽曲「キスミー」のイントロを「いったんストップ!」と止めて大きく息継ぎ。樽美酒に「大切な曲だよ?」、喜矢武に「歌えないし曲止めるし、牛肉の味もわかんないし……」と、年始に放送された「芸能人格付けチェック」での失態まで引き合いに出されて責められた鬼龍院は「2回目で息止めるところ間違えた……次の曲で取り返します!」と宣言。すさまじい量の紙吹雪が場内に舞う中、「キスミー」の美しいメロディラインをアリーナに響かせた。 ■ “ケツ日の出”が飾ったエンディング ダブルアンコールでは鬼龍院の「この曲のおかげで僕らは延命されたようなものです」という言葉に続き、「女々しくて」をパフォーマンス。大サビでは昨年行われた全国ツアー「『金爆はどう生きるか』~意外ともう結成20周年ツアー~」と同様に、4人が次々に熱湯風呂へ飛び込む。エンディングでも同じく盟友・岡崎体育が映像で登場するが、岡崎は4人の様子に「20年間何も変わってへんやんけ」と呆れた様子でつぶやき、ライブにオチを付けた。 これですべてのパフォーマンスが終了したかと思いきや、ステージ中央から客席に尻を向けて正座をした樽美酒がワイヤーで釣り上げられる。後方のスクリーンに映し出された富士山に樽美酒の輝く尻が重なる“ケツ日の出”がエンディングを飾った。しかしここで樽美酒の目前で上映されたのは、彼の故郷・福岡県うきは市で撮影された両親からのサプライズコメント。「ケツばっかり出してたら風邪ひくばい!」というメッセージに、宙吊りの樽美酒が「どういう状況!?」と動揺する中、ようやくライブはフィニッシュを迎えた。 鬼龍院は最後に「俺生きててよかった! そんな瞬間を味わわせてくれてありがとう。こんな瞬間を何度も作っていこう! また必ず元気でお会いしましょう」と挨拶。そんな約束を実現すべく、終演後のスクリーンでは新曲「リフォビア」の配信リリース、さらに今年夏からの全国ツアー開催が発表され、客席からは大歓声が沸き起こった。 今回のライブの模様はニコニコ生放送にて1月31日23:59までタイムシフト配信を実施中。視聴チケットは31日18:00まで販売している。 ■ セットリスト □ ゴールデンボンバー 20周年アリーナライブ「新作-shinsaku-」2025年1月8日 ぴあアリーナMM 01. シン・一曲目 02. 一曲目 03. Hey Yo! 04. 抱きしめてシュヴァルツ 05. 首が痛い 06. イイね 07. 令和 08. アモーレ 09. 断末魔 10. 振動 11. スイートマイルーム 12. 世界平和 13. ガガガガガガガ 14. Yeah!めっちゃストレス 15. 人間だ 16. 暴れ曲 17. かまってちょうだい/// <アンコール> 18. リフォビア 19. 君といつまでも 20. キスミー <ダブルアンコール> 21. 女々しくて