【独自解説】「“夜寝られないぐらいの咳”が場合によっては4週間」中国で子どもを中心に呼吸器疾患が急増 遺伝的変異により薬への耐性も…「日本にも普通に影響はある」
ゼロコロナ政策緩和から1年、中国でいま呼吸器疾患の患者が急増していて、病院の待合室は診察を待つ患者であふれ返っているといいます。なかには薬への耐性を持つ感染症もあるということですが、日本への影響はあるのでしょうか?元外務省医務官で、SARS流行時に中国で対応に当った関西福祉大学の勝田吉彰教授が解説します。
ロビーで点滴を受けている人も…小児科に1日7000人もの患者が訪れる中国
今、中国では子どもを中心に肺炎などの呼吸器疾患が急増しています。北京市内のある小児病院には、受け入れ能力をはるかに超えた1日に7000人もの患者が訪れ、院内は診察を待つ子どもで溢れかえり、ロビーで点滴を受けている人もいる状態だといいます。北京市内の小児病院に勤める感染症科の医師は、「現在患者が非常に多く、経験を積んだ研修医に手伝ってもらっています。毎晩、各科の医師が残業しており、それぞれ一晩に少なくとも30人の患者をオンライン診療しています」と話しています。
Q.コロナの経験から、すぐ病院に行く習慣が中国にあるのでしょうか? (関西福祉大学 勝田吉彰教授) 「中国では子どもは“小皇帝”と言われるほど大事にされていますので、すぐに病院に行くのでしょう。ただ、中国の病院の映像を見ると、皆さんちゃんと座っています。これはコロナの時のように寝込んでいる状態ではないので救いがあると思います」
病原体が強力に?「遺伝的変異がある可能性があり、薬に対して一定の耐性がある」
医療現場が疲弊するほどの感染拡大にWHО(世界保健機関)は、中国当局に対し詳細な情報提供を求めました。12月2日、中国当局は、「モニタリング(監視)によると、現在流行している急性呼吸器疾患はすべて“すでに知られている病原体”によるものであり、適切な治療法があるものだ」としました。
ではいったい何が流行しているのでしょうか?その一つが「マイコプラズマ肺炎」です。マイコプラズマ肺炎は、幼少期から青年期にかけてかかりやすく、発熱・倦怠感・頭痛などを伴い、咳で夜寝られないようなつらい思いをする病気です。さらに、北京市衛生当局によると「今年のマイコプラズマ病原体には、遺伝的変異がある可能性があり、薬に対して一定の耐性がある」といいます。 Q.薬に対する耐性があると人の体にどんな影響があるのでしょうか? (関西福祉大学 勝田吉彰教授) 「最初に投与した薬が効かない。結果、違う薬を飲まなきゃいけない。そういったプロセスを経ることで罹病期間・治療が長引く。“夜寝られないぐらいの咳”が、場合によっては4週間続いたりします」
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