立民、国会論戦で経済対策・補正予算案修正目指す 存在感示す狙い 維新・国民は冷ややか
政府は22日、総合経済対策を閣議決定し、その裏付けとなる令和6年度補正予算案をすみやかに編成した上で、早期成立を図る。一方、28日召集の臨時国会では、衆院で自民、公明両党を過半数割れに追い込み、予算委員長を握る立憲民主党が予算案などの修正を迫る構えを見せる。 【一覧でみる】総合経済対策の主な内容 立民の野田佳彦代表は22日の記者会見で、総合経済対策について補正予算案が国会に提出された後に評価すると説明。その上で「熟議と公開の下で、自分たちの考え方を整理して実現できるよう国会の中で議論していきたい」と述べ、国会論戦を通じて補正予算案に立民らしさを盛り込んでいく考えを強調した。 立民は衆院選で大躍進したが、経済対策を巡っては「103万円の壁」の上限引き上げなどを盛り込ませた国民民主党に比べて存在感を示せなかった。挽回するためか、立民は21日、独自の経済対策などへの協力を求めて国民民主と日本維新の会、共産党の政策責任者との「駆け込み会談」を行った。ただ、維新幹部は「やってる感を出すためだけだ」と真剣に取り合わない。 立民は議論の公開にこだわっており、政治改革を巡っても自民の与野党協議の呼び掛けに、野田氏は「公開する前提に立つならば、その呼びかけ自体を否定するものではない」との立場だ。一方、国民民主の榛葉賀津也幹事長は22日の記者会見で、立民に政策協議を呼び掛けるかを問われ、「われわれは年末の税制改正に全てのエネルギーを注入しなければならない」と突き放した。 経済対策や補正予算には能登半島地震への対応も含まれる。そのため、立民が修正を求めて審議を遅らせれば、逆に批判を受ける恐れもある。(千田恒弥)