東海3県初の星野リゾート誕生…『界 奥飛騨』が目指す地域文化や伝統の再発信 “曲木”が施設の一部に
2024年9月、岐阜県高山市の奥飛騨(おくひだ)温泉郷に、星野リゾートの「界 奥飛騨」がオープンした。地域の観光や産業の発展への期待も背負う“業界の風雲児”が目指す形が、施設の至る所に隠されている。 【画像】宿泊客向けの体操を練習しているスタッフ
■東海3県初の「星野リゾート」が岐阜県の奥飛騨に
人気の「星野リゾート」が東海3県に初めてやってきた。奥飛騨温泉郷に2024年9月にオープンした温泉旅館「界 奥飛騨」のコンセプトは「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」だという。 平湯温泉の豊富な湯量を生かし、半数以上の客室に露天風呂がある。 木のぬくもりに包まれた客室に、宿泊棟を一歩出れば自然を感じる中庭があり、北アルプスを臨みながら温まる足湯は、極上の空間だ。 「界」のスタッフたちは、温泉を最適に管理する「湯守り」のテストに合格し、知識だけでなく、自ら確かめたお湯の魅力を言葉で伝えられるよう、準備を進めてきた。
■オープン直前の総仕上げ…食事などのサービスを入念にチェック
オープン3週間前、朝早くから「ヘイヘイホー」という声が聞こえてくる。 スタッフが温泉とともに血流の改善を促す、宿泊客向けの体操を練習していた。全国各地の「界」で観光資源などをヒントに独自の体操を編み出していて「奥飛騨」は「木こり体操」になった。 男性スタッフ: 目の前にある大木を斧と見立てて、切り倒していく体操でございます。 オープン前の総仕上げ、総支配人の須永隆介さん(29)は提供する朝食のチェックにも余念がない。 女性スタッフ: 飛騨の地域、非常に雪深い地域でございまして、多く雪が降ると、食料の調達が困難ということで、飛騨の地域はお漬物や干したお野菜を食べる習慣がございました。味噌鍋に入れてお持ちいたしました。 須永さんはサラダやお茶など一品一品の温度や、提供までにかかる時間をタイマーで細かくチェックする。 料理を乗せたお膳が、若干左が重くなっていることに須永さんは気づいた。スタッフの負担軽減のため、改善を図るという。 チェックを終えたら、東京から来た統括チームとともに入念なフィードバックを行う。 総支配人の須永隆介さん: スタッフ含めて動線確認やコミュニケーションを取っていて、以前よりはスムーズに出せているので、精度は確実に上がってきているのかなと。体操の部分は深呼吸、呼吸を意識しながら代謝をあげて、まずは心と体を目覚めてもらうというところが目的なので、空間の演出含めて良かったのかなと。