那須川天心が井上尚弥、武居由樹と戦った元王者モロニーと激突「自分の実力が本物か偽物か」
プロボクシングWBA世界バンタム級2位でWBOアジア・パシフィック同級王者の那須川天心(26=帝拳)が25年2月24日、東京・有明アリーナで前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)と対戦すると27日、発表された。今年10月14日、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)とのWBOアジア・パシフィック同級王座決定戦で判定勝ちして以来、約4カ月ぶりのリングとなる。 同日、都内のホテルで行われたボクシング転向6戦目の記者会見に出席した那須川は「試合前から知っている選手は初めて。世の中的にも知っている相手。自分の本当の実力というかモロに分かると思う」と気持ちを引き締めた。モロニーは20年10月、当時のWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)に挑戦し7回KO負け。今年5月にはWBO世界同級王者として武居由樹(大橋)の挑戦を受けて判定負けしている。 那須川は「今までは(世間的に)知らないけれど強い選手が相手だったが、今回はボクシングファンの方や興味ない方も知っている。モロニーと対戦している他の日本人選手と比べられる。それとの戦いになる」と言葉に力をこめた。同じキックボクシング出身となる武居との将来的な対戦が期待されている。 ファンからはモロニー戦が試合結果と内容が武居と比較されることは十分に承知している。対戦候補の中から自身でモロニーを選択したと明かした那須川は「チャレンジな試合だと自分でも思う。自分の中でのボクシングに対しての挑戦表明でもあるし、生半可な気持ちでやっていないことを分かってもらえると思う。自分の実力が本物か偽物かがわかる時。今までどう勝とうと思っていたけれど、勝ち方にはこだわらず、何も考えずに自分の試合ができるというのはすごく自分の中ではでかい」と強調した。 23年4月のボクシングデビューから世界挑戦への「3年計画」のロードマップで成長を重ねてきた。最終イヤーの25年は「対世界」とテーマを掲げる。その25年初戦で、井上、武居と対戦している元世界王者と拳を交えるカードは那須川にとっても刺激は大きい。「やっと世界ベルトが徐々に見えてきたと思うし、この試合は絶対に落とせない。来年は世界ベルトに挑むことになると思う。今まで以上に自分の勝負だと思う」とうなずいていた。【藤中栄二】