【UFC】平良達郎はいかにUFC6連勝を成し遂げたか?「“俺のタイムだ”ってなって」「ベルトとUFC日本大会を持ってきます」──ペレス戦の告白
◆ヘンゾロックから“おたつロック”そして──
このフィニッシュに、元UFC世界バンタム級王者のアルジャメイン・スターリングは、「“オタツロック”をグーグルで検索したけど、オモプラッタの動画しか出てこない。教えてほしい。僕はBJJの黒帯だが、これ(オタツロックでダメージを負わせる)が本当なら、間違いなく武器庫に加える。マット・セラと僕は何年もこれを“ヘンゾ”と呼んでいるが、これによる怪我は見たことがない」と驚きのコメント。 かつてヘンゾ・グレイシーが多用した対角のヒザ裏でのコントロールに、和田竜光が多用するボディトライアングルを合わせた“おたつロック”で、まるで猛牛をロデオのように乗りこなした平良は、「落とされる心配はなくて、得意な形だったので、あの形からグラウンドに持っていこうというのは試合前から松根(良太・代表)さんと話していました」と、作戦のうちだったという。 異変に気付き、2発目の拳は止めた平良。勝利は確かだったが笑顔は無かった。 「(ペレスの身体が)“伸びた”と思って“俺のタイムだ!”ってなって、パウンドをまとめようと思ったときの怪我だったので、嬉しかったというよりも、ちょっと残念な気持ちにもなりました。ちゃんと仕留めたかったなって」と、フィニュシュを語っている。 ◆平良は王座挑戦圏内にいる 5位のペレスを下した平良は、13位から何位ジャンプアップするか。フライ級タイトル戦線を見渡すと、5位以下にもチャンスがあることが分かる。 王者パントージャに続く1位はブランドン・ロイバル。2位はそのロイバルにスプリット判定で敗れたブランドン・モレノ。そしてその両者は昨年パントージャにいずれも判定で敗れている。UFC5連勝中のアミール・アルバジが3位につけているが、2月のモレノ戦を負傷でキャンセル。 そして4位のカイ・カラフランスは、5月に王者パントージャと好勝負を展開したスティーブ・エルセグと(9位)との試合が8月に決まっている。5位のペレスは平良に敗れてランクダウンは確定的。 そして前述の通り、6位のモカエフと7位のケイプが7月に対戦する。そのモカエフがペレスに「判定」で勝ったこと。また、8位のマテウス・ニコラウがペレスにKO負けしていることを鑑みると、ペレスをフィニュシュした平良は5位、あるいは8位にランクアップしても不思議ではない。それは、王座挑戦圏内にいることを意味する。 2017年9月23日のさいたまスーパーアリーナ大会以来、6年9カ月ぶりに日本人選手のUFCメインイベント出場を実現させ、勝ち名乗りを受けた平良。次は、止まっていたUFC日本大会を、この24歳が再開させるのかもしれない。 「チャンピオンを倒して、日本に、沖縄にベルトを持ち帰ります。そして、UFC日本大会を持ってきます!」──会見前のU-NEXTによる平良達郎インタビューは以下の通りだ。