中山秀征「4人の子にとって僕は、父というより気楽に付き合える友達みたいな存在。夫婦円満の秘訣は、お互いを尊重し合うこと」
◆50代からは夫婦ともにやりたいことを 今、ようやく妻は結婚以来初めて自分の時間が持てるようになり、ぼちぼち仕事をしたり、サンドブラストというガラス工芸を習って毎日イキイキ過ごしています。夫婦ともに、年齢が50代半ばも過ぎると、「後でやろう」という選択肢はありません。 40代だったら、「今じゃなくても、後でやればいいや」って思えるけれど、50歳を超えたら「後って、じゃあ、いつ?」って。今すぐ何かに取り組んでも、それが形になるのが早くて3年後、5年後でしょう。だったら、「やりたいことはすぐやろう」と、妻も僕もお互いのやりたいことを尊重し合っています。 この10年、僕も書道の勉強をやり直しました。小学生の頃から習っていたので、子どもたちの書初めのお手本を書いたりすることはできたものの、本格的な作品作りはまったく世界が違うので、もう1回ちゃんと先生について習おうと。おかげさまで、先日、初の個展を故郷の群馬県藤岡市で開くことができました。市制70周年記念に31点の作品を展示させていただき、3万人以上のお客様が見に来てくださった。 そもそも、子どもの頃に書道を習い始めたのは、「将来スターになったときに、上手にサインを書きたいから」というよこしまな気持ちからだったんですけどね (笑) 。でも、これまでずっと続けていたのは、やっぱり好きだったから。一生の趣味として、これからも書の道を極めていきたいですね。
◆大人のためのバラエティ番組を 仕事の面で、今、僕がやりたいのは「音楽バラエティ」です。60年代、70年代に人気を博した『夢であいましょう』や『シャボン玉ホリデー』のような。あるいは、子どもの頃から毎週楽しみに見ていた『今夜は最高!』のような大人の鑑賞に堪えうる娯楽番組を作りたい。プロが司会をして、プロが音楽を聴かせて、プロがコントを披露する。YouTubeやインスタなどで、誰でも簡単に番組が作れる時代だからこそ、テレビでは一流のエンターテイメントをお見せしなきゃいけないんじゃないかと思います。 最近はテレビ離れが著しいと言われていますが、「テレビがつまらなくなった」と、テレビに出ている僕らが思っていちゃいけない。コンプライアンスの問題もあり、確かに以前のようになんでも自由にできる時代ではなくなりました。 でも、じゃあ、その中でいったい何ができるのか、これまでの経験を活かして考えていきたい。だって、僕は誰よりもテレビが好きだから。これからもテレビを通じて、キラキラと明るく楽しい空気を、みなさんに伝えていきたいと思っています。 (構成=内山靖子、撮影=本社◎武田裕介)
中山秀征