貯蓄ゼロですが独身だし【厚生年金】月30万円以上受け取れるなら問題ないですよね?
月30万円もらえれば貯蓄はゼロでも大丈夫?
月30万円超の厚生年金を受給していれば、毎月の生活費をカバーすることは可能ということがわかりましたが、だからといって貯蓄はゼロでも問題ないでしょうか。 一般的に、老後でも自動車の買い替えや住宅のバリアフリー改修、子どもの結婚・出産祝いなど、まとまった出費が必要になるケースがありますが、独身であればこういった支出は不要な方も多いでしょう。 しかし、独身の方にこそ考えていただきたいのが介護費用です。 生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる費用は月平均8.3万円で、介護ベッドの購入費など一時的に必要な金額は平均74万円です。 なお、自宅で介護を受けた場合は月平均4.8万円ですが、施設に入居する場合は月平均12.2万円かかるとされています。 独身の方の場合、施設に入居するケースが多いと考えられることから、介護費の準備は欠かせないといえるでしょう。 さらに、介護期間は平均5年1ヵ月という結果となっており、仮に施設に入居した場合、約744万円の介護費用が必要です。 10年以上介護を受けている方も17.6%いることから、さらに高額な貯蓄が必要になる可能性もあります。
まとめにかえて
独身の方の場合、厚生年金を月30万円超受給していれば、毎月の生活はゆとりをもって暮らしていけるでしょう。しかし、貯蓄がゼロだと万が一のときに対応することが難しいです。 特に、独身の方は介護が必要になると施設に入居せざるを得ないケースもあり、自宅で介護を受けるよりも、より高額な費用が必要になる可能性があります。 厚生年金の高額受給者であっても、まとまった出費があるケースに備えて、できる限り貯蓄にも力を入れておくと良いでしょう。
参考資料
・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」 ・公益財団法人 生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
木内 菜穂子