「気持ちの強い子」大阪桐蔭2年生虎党右腕が「猛虎魂」とともに帽子に潜む言葉とは
2年ぶり夏の甲子園出場を目指す大阪桐蔭は29日、創志学園(岡山)との練習試合で、13安打をマークし7-1と快勝した。先発した虎党右腕は、夏の大会に「猛虎魂」ともう1つの大事な言葉とともに臨む。 【拡大写真】帽子に潜む言葉 最速149キロ右腕・中野大虎(だいと)投手は、同部屋で2年生バッテリーでもある増田湧太捕手と試合を作り、7回を4安打1失点。増田は「中野は、気持ちの強い子」とし、「夏もやるしかない。あと2週間で修正して2年生も波に乗りたい」と意気込む。 中野の帽子のつばには「猛虎魂」と記されている。 センバツ期間中、甲子園のインタビュールームで阪神がオープン戦で最下位に沈んだことに対し「何してんねんって感じというか、勝ってくれよとは思いました」とちゃめっ気たっぷりに明かした。 チームは今春、帽子が角張ったものから丸みのあるものに変更した。中野は以前から書かれた「猛虎魂」とともに、強豪校で1年秋から全国の土を踏んだ投手として支えられている言葉が記されている。 「Fighting」-。 「お母さんの言葉が強いかなと思います」と大会前や誕生日に母から贈られた手紙の文末にいつも締めくくられる言葉だ。「最後にいつも書いてくれていて、自分が落ち込んだ時の手紙に書いてあったんで。いいなと思って」。 今春のセンバツは報徳学園(兵庫)との準々決勝で1-2の8回に登板。適時打を浴びるなど2点を失った。試合後、募る悔しさを前に進む原動力に変えてくれたのは母だった。受話器越しの母は通話設定をスピーカーに切り替え、地元の人たちとともに励ましてくれた。 腕を振るほかに、打撃練習にも力を入れ、練習試合では右越え二塁打を放ってみせた。「今日はヒットが出ていなくて、自分からリズム作って、バッティングでも引っ張ろうと。1個下でも全員野球をするだけです。チームで戦っているんで、全員でやらなきゃいけない」。 夏の青空と太陽の下で、チャームポイントの笑顔と白い歯を光らせ、3年生たちと聖地を目指す。【アマ野球担当=中島麗】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)