オードリー・タンが「これしかない」と断言する、ネット上の無駄な論争を避ける納得の方法
コロナ禍において国民全員にマスクを配布するシステムをわずか3日で構築し、世界のグローバル思想家100人にも選出された若き天才オードリー・タン。自身もトランスジェンダーであるタン氏が、日本の若者に向けて格差やジェンダー、労働の問題からの「解放」をわかりやすく語る『自由への手紙』(オードリー・タン著)より抜粋してお届けする。 【漫画】「だから童貞なんだよ」決死の覚悟の告白に女子高生が放った強烈な一言 『自由への手紙』連載第39回 『「アンチSNSです」オードリー・タンが今でもスマホではなく「二つ折りの電話」を使う衝撃の理由』より続く
ネット上の対立を回避するには?
翻って考えると、インターネットによって世界が狭くなるとは、人と人の距離が近くなるということです。 みんなが自由に意見を言い、誰もがそれを見聞きできることは、あらたなイノベーションの種にもなれば、激しい論争の火種にもなります。 自由で透明な場であるはずのインターネット上でも、そうした問題は起こりうるでしょう。 無用な論争を避けるには、ソーシャルメディア上の偏向した投稿に触れる回数を制限すること。これしかないと思いますし、私自身もそうしています。
インターネットの正しい使い方
インターネット上で私が多くの時間を過ごすのは、返信ボタンのない場所。アップロードやダウンロードはできますが、的はずれな個人攻撃が起こりえない空間です。 そうすると利用者は、お互いの攻撃にカロリーを浪費せず、共通の価値観やアイデアについて話す時間を増やしたいと思うようになります。 いろいろに意見が割れるアイデアでも、相手を中傷したりしない。敬意をもって異論は異論として受け入れられるようになります。 交流プラットフォーム上に相手の悪口を書き込める場所がないので、やりようがないとも言えます。 結局は、どんな仕様のソーシャルプラットフォームを選択するかという問題です。返信ボタンがあるところ、ないところ――どちらのプラットフォームを利用してもいいし、両方を頻繁に行き来してもいいでしょう。 肝心なのは、自身の心身バランスが維持できるかどうか。 私たちにとって、心のバランスを保つことは重要な課題です。