27歳の会社員です。地方公務員なら「退職金も多く老後が安泰」と聞き、転職したいのですが、退職金ってどれくらいですか? ほかに地方公務員になる“メリット・デメリット”はあるでしょうか?
地方公務員になるデメリット
一方で、昇進・昇給などは、比較的年功序列が根強く、デメリットに感じる人もいるでしょう。昇進に関しては「20代でいきなり課長になる」といったことはほとんどなく、昇給も若い頃は勤務年数による部分が多いため、どんなに優秀でも給与が一気に上がることはないでしょう。 また、何かと民間企業以上に批判の対象になったり、クレーム対応を強いられたりすることも少なくありません。職員個人にも「職務専念義務」があるため、副業ができないなど、民間企業以上に色んな制約があります。 仕事の内容を見ても、公務の性質上、予算執行にも手続きや制約が多く、民間企業と比べるとスピード感は劣ります。執行後の監査など事後の作業もあり、手間がかかると感じることも多いでしょう。
筆者の経験から
上記のメリット・デメリット以外に、筆者が在職時に感じていたのは、重要な仕事を数多くこなしている人と、あまり仕事をしていない人でも、処遇に大きな差がないということです。 民間企業でも、多かれ少なかれあることかもしれませんが、逆に優秀な職員ほど負担は大きい印象がありました。いい意味でも悪い意味でも「身分が保障されている」公務員であるがゆえに、起こりがちな現象かもしれませんが、そのことに不満を抱く職員も多かったように記憶しています。 また「公務員はノルマがなくて仕事が楽」といったイメージを持っている人もいることでしょう。しかし、現在は年々求められることが多様化するとともに、職場環境も厳しさを増しており、「仕事が楽だろう」といった理由で地方公務員を目指すのは、あまりお勧めできません。
まとめ
地方公務員は、2000万円規模の退職金に加え、失業の心配がないことや、安定した処遇、充実した福利厚生などが大きな魅力です。一方で、民間企業との比較では、年功序列の色合いが強く、公務員であるがゆえの業務や制約も数多く存在します。 ただ、個々人のライフスタイルや働き方によって、何をメリットやデメリットに感じるかには違いがあるでしょう。地方公務員への転職を考える場合は、できれば実際に勤めている人に話を聞いて、地方公務員の特性もふまえながら検討してみてはいかがでしょうか。 出典 総務省 総務省 給与・定員等の調査結果等 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部