表現の自由か、教育を冒瀆か…大学占拠し反イスラエル抗議 若者の間に広がるトランプ氏への支持【ワシントン報告⑰パレスチナ支持の学生運動】
▽テロリストの頭巾 ニューヨーク・タイムズ紙の調査では若者の間でバイデン氏とトランプ氏の支持が拮抗している。以前はバイデン氏が優勢だった。トランプ氏に流れる理由はインフレ、不法移民増加、対イスラエル政策などが挙がる。トランプ氏は学生デモ自体を支持していないので、バイデン氏のイスラエル政策を支持しないからといって、トランプ氏に支持が流れることを単純には意味しない。 学生の抗議に対し、イスラエルの立場も無視できないバイデン氏は「自由な言論と法の秩序の両方を守るべきだ」と煮え切らないが、トランプ氏側は攻撃にためらいがない。 ジョージ・ワシントン大の抗議では初代大統領ワシントンの銅像が、イスラム教徒らがかぶる頭巾で覆われた。パレスチナ支持を表すためだが、トランプ氏に近いコットン上院議員は「(偉人に)テロリストの頭巾をかぶせるとは…」とあきれて見せた。 トランプ氏は「彼らは建物を乗っ取り、破壊活動をしている。議会襲撃事件に加わった人たち(が受けた刑罰)と同じになるか、よく見てみよう」と語る。自分が扇動した議会襲撃と学生の抗議活動を同列に並べるが、学生の主張に一定の理解を示す人はいても、議会襲撃を容認する声はまずない。