「更年期の関節痛」が疑われる人必見 病院受診の目安や治療の流れとは?
更年期に関節痛が起きたらどうすればいい?
編集部: 更年期に関節痛がみられる場合は、どうしたら良いのでしょうか? 上原先生: 更年期に起きる関節痛は、いわゆる更年期障害の症状として起きるだけでなく、関節リウマチを主とした膠原病でもみられることがありますので、まずはほかの疾患の可能性を排除するためにリウマチ・膠原病を専門とするリウマチ内科を受診すると良いと思います。 編集部: その年代の関節痛には、間違われやすい疾患があるのですね。 上原先生: 特に、関節リウマチと更年期の関節痛は混同されやすいですね。どちらも同じような部位が同じように痛む上に、好発年齢も似ているので非常に間違われやすいのです。 しかし関節リウマチは自己免疫疾患で、関節に炎症を起こすことで関節が腫れますし、血液検査でも多くは炎症反応が上がります。関節リウマチと更年期の関節痛の大きな違いは、慢性炎症による痛みか、そうでないかです。 この鑑別が非常に重要ですので、まずはリウマチ内科を受診することをおすすめします。関節リウマチと更年期に由来する関節痛とは経過も治療法も異なります。 編集部: ほかの疾患の可能性が排除され、更年期障害のひとつとして関節痛が起きていることがわかった場合には、どうしたら良いのでしょうか? 上原先生: 更年期障害を扱う婦人科を受診することが基本だと思います。痛みについての相談が難しい場合は、更年期関節痛をきちんと診てくれる医療機関を探すことをおすすめします。 編集部: 整形外科などで痛みを診てもらうことはできないのですか? 上原先生: 局所的な痛みの場合は整形外科で診てもらうと良いでしょう。あちこちが痛むという場合は根本的にホルモンバランスを整える必要がありますので、婦人科でホルモン補充療法(HRT)を含めて相談してみてください。 これは、加齢によって減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充する治療法のことです。 編集部: もし受診した婦人科が、更年期関節痛に対する治療を行っていない場合はどうしたら良いのでしょうか? 上原先生: 自分から積極的に「ホルモン補充療法をお願いします」とお願いしてみましょう。 ホルモン補充療法に対する考え方は医師によって異なりますが、ホルモン補充療法を積極的に行っている医療機関であれば、リウマチの可能性が排除されていることを前提に、おそらく治療をしてくれると思います。