<北朝鮮内部>「戦争に備えよ」…危機煽って民間人の軍事訓練を強化 不参加者には配給と労賃の削減通告 「しんどいです」と不満の声も
◆手袋、ベルト、ブタ肉…軍隊への支援を要求
民間武力組織の訓練強化の一方で、軍隊への物資支援を督促する動きも強い。 「1月6日の人民班会議で、軍人たちの冬季訓練の成果を保障するため、全群衆的な支援運動を進めるとの通告があった。世帯ごとに割り当てられた課題(ノルマ)の他に、手袋、ベルト、ブタ肉などの物資支援を自発的に行え、支援の意思のある者は人民班と洞役場を通じて支援物資の数量と品目を知らせるように言われた。 軍人たちが十分に訓練できるよう、住民は自発的に国を守るのに貢献しろというわけだ。人民班だけでなく、女性同盟、青年同盟などの社会団体に対しても、軍隊への支援事業を全群衆的運動として拡大するよう指示があった。 支援品を出した模範的な家庭や企業所、社会団体、個人は、表彰するとともに、党の配慮として温泉やスキー場などの利用券を与えるそうだ」 ※人民班は末端の行政組織で、地区ごとに20~30世帯ほどで構成される。 茂山、会寧では1月中旬からインフルエンザと風邪が大流行しているそうだ。「周囲の3割は寝込んでいる。民間武力の軍事訓練はまともにできないでいる」と会寧の協力者は述べた。 ※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
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