アニメやドラマ、音楽は『人の心』の理解に役立つのか 自閉スペクトラム症者7人が語る「生活」のリアル
京都府立大学文学部准教授・横道誠の最新刊『「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか――自閉スペクトラム症者の生活史』(亜紀書房)が、11月22日に発売される。 本書は、「自閉スペクトラム症の当事者はマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、音楽などから〝人の心〟を理解しようとしているのではないか?」という仮説をもとに、コミュニケーションが苦手で共感能力が乏しいとされてきた、自閉スペクトラム症者7名へのインタビューをまとめた内容となっている。装丁は矢萩多聞、表紙カバーのイラストを『急がなくてもよいことを』(ビームコミックス)で知られる、漫画家・ひうち棚が手がけた。 著者の横道誠は、京都府立大学文学部准教授。40歳で自閉スペクトラム症、ADHDと診断され、発達障害者などのための自助グループ活動を精力的におこなうようになり、その経験をもとに多数の著作を発表している。横道は本書執筆のきっかけについて「ぼく自身の人生を振りかえってみると、創作物から学んだことが非常に多いと感じるんだ。それこそ人の心の秘密も、多くを本から学んだ」と綴る。 仮説をもとに、さまざまな生い立ちを抱える当事者7人に、自身も当事者である著者が共感を込めてインタビュー。かれらが夢中になったマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、ポップミュージックは、どのようなものだったのか。「当事者の生活史」と「昭和・平成・令和のサブカル変遷史」が見える一冊だ。
リアルサウンドブック編集部