消費者の関心は企業の想いへの共感に変わった 所有の喜びだけではもうモノは売れない
2つ目は、ブランドの情報発信が、途切れることなく続く、長期的な活動に変わったことが要因として挙げられます。これまでは広告キャンペーンの時期を半年に1度、四半期ごとに1度、などに設定し、時期を区切って情報発信を行っていました。しかし、伝える手段が多様化したため、情報発信は一時期に限られた活動ではなく、毎日取り組むものに変わったのです。 3つ目には、お客様自身が情報を発信できるようになったため、クチコミの重要度が上がったことが挙げられます。共感してもらい、ブランドのファンになってもらうことができれば、クチコミによって大きな広がりが期待できるようになりました。ブランドのファンになってもらうためには、一時的なインパクトではなく、ブランドのストーリー(=思想)を愛してもらう必要があります。共感を得られるかどうかが、ブランドとして大切な要素になりました。
これらの変化を受けて、短期的なインパクトから、ブランドとしてのストーリーが求められるようになってきているのです。 ■「これがいい」と思ってもらえるか ➁独自性の可視化 1人ひとりの好みに合わせた多様な商品・サービスが生まれているため、無数のブランドの中で、埋もれないことが重要になりました。 かつては、そもそもの選択肢が少なかったため、お店に並べてもらうことができれば、ある程度の売上を見込むことができました。
ですが、今は、ウェブサイトなどで、自分の好きな商品・サービスを、どこでも、いつでも買うことができるようになったため、代替可能な商品・サービスは、生き残ることが難しくなりつつあります。 「これでいい」ではなく「これがいい」と思ってもらうことが、これからのブランドに必要なことです。そのためには、自社ブランドの強みや魅力を発見し、デザインや言葉で目に見えるようにすることが必要です。他のブランドにはない、ブランドの独自性を可視化することが求められています。