ふき替えが始まった2層目（香山公園で）

　山口市の香山公園にある国宝瑠璃光寺五重塔の70年ぶりとなる檜皮（ひわだ）ぶき屋根の改修費を募るクラウドファンディングが行われている。目標金額は2000万円。寄進者には特別ご朱印やお守りを贈る。同寺（渡邉博志住職）や山口観光コンベンション協会（大庭達敏理事長）などでつくる実行委員会主催。 　7月31日には報道向けの工事状況の説明が行われた。工事管理者の協和建設によれば、3～5層目の屋根のふきかえを終え、現在は2層目に着手しているという。工事の進捗（しんちょく）率は60％強という。 　当初は全面改修を予定していたが、5層目の奥にある1915年ごろにふき替えられた部分は、文化的価値が大きいことから残すことにしたなどの説明があった。来年1月には屋根のふき替えを終え、外壁シートを3月に外し、足場の解体などにも着手する予定。全体の工程終了は2026年3月を見込んでいる。 　クラウドファンディングは1口3000円～100万円を受け付け。金額に応じて返礼品が異なる。購入型クラウドファンディング「アイデアマーケット」へ。期限は11月30日まで。 　22年9～11月の第1期と23年8～11月はいずれも目標金額2000万円に対し約600万円が集まった。 　渡邉住職（53）は「重要な工事が行われていることにまずは関心を持ってもらいたい。米有力紙の特集『今年行くべき52カ所』でも触れられた市が誇る国宝を次世代に伝えていく必要がある」と協力を呼び掛けている。