1973年式 ボルボ 1800ES|独特のクーペをベースに誕生したシューティングブレーク
北欧の家具のように長く使え、安全なクルマづくりを続けている自動車メーカーが、スウェーデンの「VOLVO」だ。創設期から人間尊重の安全主義を掲げてきたボルボの設計ポリシーと神髄に触れるためにクラシック・ボルボのステアリングを握ってみた。 【画像17枚】専用ボディをまとったボルボのスポーツモデルは少ない。今も多くのファンがスタイリッシュなクーペボディに魅了されている名車が1959年に発表されたP1800だ。名車アマゾンのシャシーを採用し、ホイールベースを150㎜切り詰めて美しいクーペボディを被せている。そのP1800をベースに、71年にボルボ初のスポーツワゴンとして登場したのが1800ESだ。ボルボPV444のシャシーを使ったバンやトラックがPV544。1953年にPV544デュエットが誕生する。これは後ろにトレーラーハウスを付けたキャンピ 【VOLVO クラシックカー 】 2台目に試乗したのは、71年に加わったスタイリッシュな1800ESだ。スポーツクーペのP1800(途中でP1800Sに改名)のルーフを延ばし、個性的なシューティングブレイクに仕立てた。ESは排気量を2Lに拡大した直列4気筒OHVエンジンを積み、これに電子制御燃料噴射装置を装着した快速ワゴンである。ちなみにボルボの木村隆之社長の愛車もESのベースになったクーペの1800Eだ。 2LのB20型エンジンは130ps/18・0kg‐mを発生する。エンジンは滑らかに回り、応答レスポンスも鋭い。3000回転あたりから気持ちよくトルクが盛り上がった。ESは3速ATだったが、クーペは4速MTだったので守備範囲の広い3速ギアを使って軽やかな加速を引き出せる。加速時のエンジン音も耳に心地よい。 ちなみにスウェーデンでSUツインキャブを装着した1.8LエンジンのP1800を運転したが、キャブならではのパンチある加速を楽しめた。ハンドリングは、デザインほどスポーティではなく、低速ではステアリングの重さを感じるし、舵を与えたときの動きも鈍いと感じる。が、操っている感じが強く、運転するのが楽しかった。 【画像17枚】専用ボディをまとったボルボのスポーツモデルは少ない。今も多くのファンがスタイリッシュなクーペボディに魅了されている名車が1959年に発表されたP1800だ。名車アマゾンのシャシーを採用し、ホイールベースを150㎜切り詰めて美しいクーペボディを被せている。そのP1800をベースに、71年にボルボ初のスポーツワゴンとして登場したのが1800ESだ。ボルボPV444のシャシーを使ったバンやトラックがPV544。1953年にPV544デュエットが誕生する。これは後ろにトレーラーハウスを付けたキャンピング仕様だ 1973年式 ボルボ1800ES 全長4380mm 全幅1690mm 全高1290mm ホイールベース2450mm 車両重量1180kg 乗車定員3名 最高速度181km/h エンジン型式B20F エンジン種類水冷直列4気筒OHVボッシュDジェトロ燃料噴射装置 総排気量1996cc ボア×ストローク88.9×80.0mm 最高出力130ps/6000rpm 最大トルク18.0 kg-m/3500rpm 変速機3速AT(コラムシフトレバー) ステアリング形式リサーキュレーティングボール式 サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン式/トレーリングアーム・パナールロッド式 ブレーキ 4輪油圧式ディスクブレーキ 燃料タンク容量45L ホイール前後とも5.5J×15 タイヤ前後とも185/70HR15 発売当時価格269万円 初出:ノスタルジックヒーロー 2019年6月号 vol.193 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部