どうしたらいいの? 親が認知症になって口座が凍結 弁護士が教える対処法とは
もし親が認知症になってしまったら、たとえ子どもや家族であっても、親の口座から勝手に預金を引き出すことができなくなるそうです。どう対策すればいいのでしょうか。弁護士法人C-ens法律事務所の森崎秀昭弁護士に、2回にわたり詳しい話を伺いました。前編は、親が認知症になったら預金口座がどうなるのか、口座を凍結された場合、使えるようにする方法はあるのか、教えていただきました。 【画像】認知症の症状のひとつ「物忘れ」 加齢によるものと認知症によるものとの違いとは ◇ ◇ ◇
認知症の人の預金口座が凍結されるのは財産を守るため
実際に体験したり、聞いたりしないと知らない人も多いかもしれませんが、認知症になったら預金口座が凍結されます。というのも、認知症という病気は、脳の神経細胞の働きが低下することによって記憶や判断力などの認知機能が低下し、社会生活に支障をきたす状態のことだからです。そのため、金融機関が認知症や判断能力の低下などを把握した場合、あくまでも当事者の財産を守るために口座から預金を下ろせないように凍結します。 認知機能の低下によって、詐欺や詐欺まがいの行為に騙されてしまったり、必要のない物やサービスを購入してしまったりすることがあるため、銀行が口座の預金を守ってくれるというわけです。
預金口座が凍結される3つのケースとは
では、実際に銀行が口座を凍結する3つのケースを紹介します。 1. 家族が銀行に相談したケース 親が認知症になって、不安になった家族が銀行に相談。銀行からの送金・出金ができなくなるように、口座を凍結してもらうケースです。 2. 本人が窓口で銀行員とやりとりをしたケース 認知症になった親が振込や出金の手続きを取る際に、銀行の窓口で名前や生年月日を言えない、署名がちゃんとできない、銀行員への受け答えが会話にならないといった場合は、銀行側が判断能力の低下を疑い、口座を凍結することがあります。 3. 怪しい入出金が継続しているケース 上限額いっぱいの引き出しが繰り返されていたり、今まで取引したことがないような口座に連続して多額の送金をしていたり、怪しいお金の動きがある場合に口座が凍結されることもあります。