「インドネシアがサッカーに熱狂」報道は真実か? 現地で記者が目にした“意外なリアル”「イギリスのチームのユニフォームのほうが売れるんだ」
「ジャカルタよ、団結せよ!」 「ジャカルタが明るくなる!」 インドネシアの首都ジャカルタ市内では、幹線道路を中心にこんなフレーズを目にする。 【現地写真】「熱狂的すぎ…」インドネシア応援団のヤバい熱量、“キラキラネイル”の女性サポーターも…記者が目にした日本戦直前「リアルな現地の様子」とあわせて見る(全10枚) 11月15日と19日に北中米W杯アジア最終予選が行なわれることを受けて、市民の熱を高めようというわけではない。州知事選挙に出馬している候補たちのキャッチフレーズなのだ。
「インドネシアのサッカー熱」はどこまでが真実か?
11月11日に日本代表がジャカルタ入りすると、インドネシアのメディアの熱狂ぶりが報じられてきた。僕自身も12日に取材に必要なADカードを受け取りに行くと、受付開始時間の前から地元メディアがどんどんと集まってきた。国内外を問わずに自国のカメラマンや記者が多いことに慣れてきた日本のメディアからすると、いつもとは違う空気が感じ取れるのかもしれない。 両チームの練習場やスタジアムから、距離を取ってみる。 アウェイ感満載、というわけではない。 ジャカルタ在住のインドネシア人女性に会うと、彼女はこのタイミングでの来訪の理由を知らなかった。15日にW杯予選が行なわれることを告げると、ようやく納得したのだった。 ジャカルタで二国間の人材交流事業に携わる日本人男性は、「日本在住のスタッフから、試合があることをずいぶん前から聞いていました」と話す。それでは、どれぐらい興味があるのか。「ウチの事業所には日本人とインドネシア人のスタッフがいますが、日本人のほうが関心は高いですね。ただでさえ交通渋滞がひどいので、試合の時間に重ならないように帰りたいというスタッフが多いです」と、現実的な答えである。 チケットを買い求めた人はいなかったそうだ。
スポーツショップにない「代表ユニフォーム」
ジャカルタ市内には、大小様々なショッピングモールがある。幹線道路沿いを車で走っていると、巨大なデジタルサイネージに出会ったりもする。人々の目につきやすいところで、サッカー、W杯予選、インドネシア代表、といったものをあちらこちらで感じることができるかと言えば、そんなことはない。 とあるショッピングモールのスポーツショップへ行ってみると、マンチェスター・シティやリバプールのユニフォームが目につくところにレイアウトされている。ケビン・デ・ブライネとアーリング・ハーランド、それにネイマールの写真が、スパイクと一緒に飾ってある。 インドネシア代表のユニフォームは? 陳列されていない。店員に聞いてみると、「ウチはイギリス系のお店だから」と言う。
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