サッカー男子は主将の藤田チマとFC東京コンビ荒木&松木の連携が命運を握る【パリ五輪メダル有力競技 ココが見どころ】
サッカー五輪代表は男子・女子ともにメダル候補としてパリに乗り込んでいく。男子代表は6月7、11日に米国中央部カンザスシティーでU23米国代表と2試合のテストマッチを行う。30日に遠征メンバーが発表されるが、五輪登録メンバーは18人。しかも年齢制限のない「オーバーエージ(OA)3枠」があり、実質「15人」の狭き門となる。今回の米国遠征は、代表入りを狙う面々にとってのサバイバルレースでもある。果たして不世出のストライカー・釜本邦茂を擁して銅メダルを獲得した1968年メキシコ大会を上回る成績を残せるか? 女子は過去最高位の2012年ロンドン大会の銀メダルを上回って頂点に立てるか?【今回は男子編】 ❤元なでしこが脱いだ!❤ 岩渕真奈の貴重なSEXY水着ショット ■アジア杯決勝の再現 大岩ジャパンの立ち上げからボランチでプレーし、攻守の要としてピカイチの存在感を示しているのが、ベルギー1部シントトロイデンでプレーする主将のMF藤田譲瑠チマ(22)である。 ピッチ全体を俯瞰して試合の流れを冷静に読みつつ、相手の攻撃の芽を摘み取って攻撃のスイッチを押す──のが藤田チマの真骨頂。パリ五輪予選を兼ねたU23アジア杯の準決勝イラク戦で1点目、2点目をアシストして五輪切符ゲットの立役者となった。 「藤田チマは、英プレミアの強豪リバプールでプレーする日本代表MF遠藤航(31)の後継者と言っていい。その藤田チマにFW荒木遼太郎(22)とMF松木玖生(21)とのFC東京コンビを加えた3人が、パリ五輪でメダルを獲得するためのキープレーヤー」と話すのは元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏だ。 「大岩剛監督は、アジア杯の一番のキモである準決勝で満を持して2人を同時に先発させ、藤田チマとの好連係も奏功して見事に五輪出場を勝ち取った。本番では、チームの得点力アップのために荒木と松木の立ち位置を変えて臨みたい。荒木をより相手ゴールの近くでプレーさせ、シュートのアイデアの豊富さと決定力の高さを発揮してもらう。松木はボランチのひとつ前の2列目に入り、荒木とのコンビネーションで相手ゴールをどんどん脅かしていきたいところです」(六川氏) ■大型DF町田浩樹のOA枠起用を 大岩監督は「OA枠を使う」ことを公言しており、英プレミアのMF遠藤航(31)や1トップ要員としてオランダ1部のFW上田綺世(25)らの起用が取り沙汰されている。 「独1部のレフティーDF伊藤洋輝(25=シュツットガルト)をOA枠で起用するプランを推したい」とは前出の六川氏である。 「W杯などに比べて登録人数が18人と少ない五輪では、複数ポジションをこなす選手が重宝されます。たとえばベルギー1部の町田浩樹(26)は4DFの左CB、3DFの左、左SB、前目の左のウイングバックも担える逸材です。ただし今夏の移籍が噂されており、所属クラブが五輪招集を拒否し、今月末までにJFA(日本サッカー連盟)がFIFA(国際サッカー連盟)に提出する予備登録メンバー50人から外れたようです。そこでドイツ1部の伊藤です。彼も町田と同様、左サイドの4つのポジションを任せられる。身長188㌢でヘディングも強く、セットプレーでは攻め上がってゴールを狙える。<1人4役>の伊藤は、大岩ジャパンに大きなプラスになる」(六川氏) 今季のドイツ1部は無敗で初の優勝を決めたレバークーゼンが話題を集めたが、バイエルン・ミュンヘンやドルトムントといった強豪を抑えて2位に躍進したシュツットガルトの健闘ぶりも光った。そのシュツットガルトでシーズンを通して複数のポジションをこなしつつ、主軸としてプレーした伊藤が加わると「非常にポジティブな刺激をチームに与えてくれる」(六川氏)というメリットも期待できる。 大岩ジャパンのグループステージ初戦の相手パラグアイは五輪連覇中のブラジル、世界ランク1位のアルゼンチンを抑えて南米トップで五輪出場を決めた難敵である。 2戦目のマリは主軸の大多数が欧州各国リーグでプレー。日本は3月に京都でテストマッチを行ったが、攻守に圧倒されて逆転負けを喫した。3試合目は12大会ぶり出場のイスラエルと対戦。3位に入った23年のU20W杯メンバーの主力が代表に加わり、決して侮れないチームだ。 大岩ジャパンは初戦を白星で飾り、その勢いでメダルを目指して突っ走ることができるか。(【女子編】につづく)