『おむすび』が伝える“エンターテインメントの力” “結”橋本環奈が得たギャルのマインド
結(橋本環奈)とハギャレンの“これから”を考える
つくづく思うのだけれど、ナマモノであるステージパフォーマンスというのは、演者と観客の協働によって成り立つものだ。一方通行のものではなく、相互コミュニケーションによって成立する。「フェスティバル=祭典」ならなおさらだ。 結は「糸島フェスティバル」のステージに立つことで、このことに気がついたのではないだろうか。まず全力のパフォーマンスを披露しなくては、目の前のお客さんはついてきてはくれない。けれども彼女が全力のパフォーマンスを披露できたのなら、それに呼応するように仲間も観客もついてきてくれるかもしれない。「糸島フェスティバル」で最終的に生まれたグルーヴは、説明のつかないもの。あの会場にいた者たちにしか分からない、“エンターテインメントの力”である。 10月11日より公開中の映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』には、「ホンモノのショーは、幕が降りても続くもの」というようなセリフが登場する。そうなのだ、“エンターテインメントの力”というのは、それを可能にするものだ。人々の笑顔を目にした人間は、今後どんな道に進んだとしても、その日のことを忘れないだろう。“エンターテインメントの力”を知った日のことを、結は忘れないだろう。この幕が降りても、彼女と「ハギャレン」のショーは続いていく。それはつまり、結が“ギャル”のマインドを獲得し、持ち続けていくということである。いよいよ面白くなってきた。
折田侑駿