SDGs製品を中部中へ 岩崎工業とTOPPAN 環境への取り組み話し寄贈 三重・松阪
包装資材用フィルムをリサイクルのごみ箱40個
三重県松阪市広陽町の松阪中核工業団地に工場のある2社、岩崎工業㈱(本社=奈良県大和郡山市、岩﨑能久代表取締役社長)とTOPPAN㈱(本社=東京都、齊藤昌典同)がタイアップしてプラスチックのリサイクルに取り組み、完成させたごみ箱(7リットルサイズ)約40個を、両工場の地元の同市立野町にある市立中部中学校(後藤正和校長)に寄贈した。4日午後2時5分から同校体育館で両社の担当者らが3年生(210人)を対象に「環境への取り組み」と題して授業を行った。 岩崎工業はプラスチック製日用品メーカーで、毎年のように同校でのわくわくスクール(松阪商工会議所主催の出前授業)に参加し、6月には同校のわくわくワーク(職場体験)の生徒4人を受け入れるなど、関わりが深い。 一方で同社は、TOPPANから、リサイクルが難しかった同社製の包装資材用フィルムをリサイクルできないかと打診を受けた。 この日、生徒の前で中心となって話した岩崎工業の家根谷佑希メディカル事業部販売促進課長(34)は「TOPPANさんの方で出てきた廃棄フィルムは、レジ袋などに再生利用されていましたし、サーマルリサイクル(エネルギー回収)といって熱エネルギー資源にも使っていたんですけど追い付かない。その残った分を岩崎工業でこういう形で全く違う製品に作り替えたのは大きな成功事例と思う。僕たちが作ったSDGs製品のごみ箱を同じエリアの皆さんの教室とか工作室とかに置いていただいて実際に使ってもらえると一緒にSDGsの取り組みができる」と話した。 この日は他に岩崎工業から家根谷武常務取締役(60)、TOPPANから倉田照久中部事業部シニアフェロー(63)、市産業文化部から牧野浩也参事(53)らが登壇。 倉田さんによると、TOPPAN松阪工場では菓子類や医薬品のフィルムを印刷加工しているという。 それらフィルムは5層にも6層にもなって、溶ける温度もまちまちな素材が混じり合っているためリサイクルが難しかったが、別の業者でレジン(樹脂素材)化することができ、それを岩崎工業でごみ箱に成形した。 講演後、岩崎工業で職場体験した4人が代表でごみ箱を受け取り、荻田翔永君が「みんなで大切に使っていきます。これからも環境のことをもっと考えていきたい」と礼を述べた。ごみ箱は給食時の紙皿回収などに活用されるという。