【阪神】伊藤将司ぼうぜん「失投だったっすね…」悔しい被弾 8回2失点に岡田監督は一定の評価
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク2-0阪神>◇14日◇みずほペイペイドーム 阪神伊藤将司投手(28)が1球に泣いた。「失投だったっすね…」 0-0の5回。打者2人で2死を奪った後、8番笹川にプロ初安打となる中前打を浴びると流れが変わった。二盗でピンチを広げられ、2死二塁。9番広瀬に対し、1ボール2ストライクからの直球が高めに浮いた。逃さずに強振された打球は左翼フェンスを越える先制2ラン。打球の着弾を見送り、しばらくの間、ぼうぜんと立ち尽くした。 8イニングで103球を投げきり、奪われたのはこの2点のみ。序盤から相手先発モイネロと投手戦を繰り広げ、全イニングで先頭打者を打ち取った。 「先頭を切れたのは良かったですけど、ああいう場面で打たれたら意味がないと思います」 8回7安打2失点で悔しい今季2敗目。2点が重くのしかかり、22年8月17日ヤクルト戦以来、プロ3度目の完投負けを喫した。岡田監督も「そこだけやんか。安心したかなんか、知らんけどな。ツーアウト、ランナーなしから」と唯一の失点場面を悔やんだ。 今季は5月11日DeNA戦で5回途中7失点(自責点5)と苦しみ、翌12日に出場選手登録を抹消。1軍復帰戦となった前回6月7日西武戦(甲子園)では7回5安打1失点で4試合ぶりに白星を挙げていた。 この日も黒星を喫したものの、今季最長となる8回を投げきった。2戦連続でクオリティー・スタート(6回以上、自責点3以内)を達成。指揮官もボール自体には「見ての通りやろ。アカンかったら、打たれてるやろ」と一定の評価を与えただけに、失投が悔やまれる。 ソフトバンク打線が2点以下に抑えられたのは、6日の中日戦以来7試合ぶりだった。強力打線に対して見せた粘投。痛恨の1球を必ず次戦の白星につなげる。【波部俊之介】