大雨で倒木…松江城山公園のマツ ほかの木に「衰弱」リスクは?「樹木医」と検証(島根・松江市)
山陰中央テレビ
6月23日、松江市で大雨が降り、松江城の公園内の松の木が根元から折れました。 この倒木によるけが人はいませんでしたが、人の多い時間帯であればあわや大惨事でした。 どのような管理がされていたのか、樹木の保全や治療を行う樹木医とともに検証します。 安部大地記者: 「松江城では大きな松の木が根本から折れて、観光客の通る道を塞いでしまっています」 6月23日の朝、松江城山公園で倒れているのが見つかった松の大木。 高さ約20メートル、樹齢は100年以上とされ、この日の未明に強まった雨や風が倒木の原因とみられています。幸い、けが人はいませんでした。 近年、山陰でも度々発生する倒木被害。 けが人が出るケースもあり、人通りの多い観光地では、大きな事故にも繋がりかねません。 松江城山公園ではどのような管理をしていたのでしょうか、管理する市の担当者と、過去の調査にも協力した樹木医に話を聞きました。 安部大地記者: 「倒れた木の部分はきれいに整えられていますが、ここが倒れた根本だった部分ですね」 松江市松江城・史料調査課 飯塚康行課長: 「幹の中に腐った部分があるのは分かっていた。この前の雨風で倒れるとは思っていなかった。裂け目もあったようで、そこから雨水が入って、余計に腐りを進行させたのもあったのでは」 市は10年前、公園内にある樹齢の長い40本の木に、倒木のおそれがないか調査を実施。 倒木リスクが高いと判断した9本を伐採し、今回倒れた木を含めた残る31本については経過観察としていました。 松江市松江城・史料調査課 飯塚康行課長: 「この隣の松の木も当時、診断した木ですね」 しまね樹木医会 多々納敏事務局長: 「傾斜木も危険な印のひとつ。同じような年代・樹齢の木なので、再度確認したい」 日光を求め、傾いて伸びることもある松の木。加えて内部の腐食が進行すると倒木のおそれが高まるといいます。 さらに木を弱らせる要因は他にも。 安部大地記者: 「切り株になっているものがありますね」 しまね樹木医会 多々納敏事務局長: 「キノコが生えてますよね。ナラタケモドキといいまして、いまのところキノコへの対処法がない。衰弱の原因はこの菌が被害を及ぼしているの大きい」 木が衰弱する要因は多岐にわたり、外見だけで判断するのは難しいのが現状です。 詳細な調査には、超音波で木の中を調べる特殊な機械を使い、樹木医が診断する必要があります。 松江市松江城・史料調査課 飯塚康行課長: 「今回このようなことがありましたので、再度、樹木診断をして、10年前の比較検証をして、今後に生かしていきたい」 歴史的な景観を守りつつ、観光客が安全に過ごすことができるよう早急な調査、対応が求められています。
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