JR山口線の新駅、山口市長「需要もう少し必要」…予測利用者と整備費用見合わず保留意向
山口市が検討していたJR山口線・湯田温泉―山口間(2・4キロ)の新駅設置について、伊藤和貴市長は28日の定例記者会見で「今ゴーサインを出すタイミングではない。実行段階に移さず保留としたい」との意向を表明した。予測される利用者が少なく、整備費用に見合わないと判断したという。 【写真】大雨で被災した山口県のJR山陰線、一部区間が運行再開…高校生「やっと普通の通学に戻った」
市によると、両駅のほぼ中間に位置する市有地の椹野公園付近が新駅の候補地。委託先の民間会社が利用者の予測調査をしたところ、設置後に1日617人の新規需要が見込める一方、駅舎(建築面積70平方メートル)と線路の整備に概算で計20億6000万円かかることが判明した。
伊藤市長は、JR側との事務協議の中で1日1000人の新規需要が設置の目安として挙がったことを踏まえ、「(予測調査との)数字に隔たりがあり、需要がもう少し必要」と説明。「(候補地周辺の土地開発など)トータルの状況が今後どう動くのか見極めたい」と述べ、新駅設置に慎重な姿勢を示した。