10月14日の2度目防衛戦に向け、練習を公開したWBC世界バンタム級王者中谷潤人

　プロボクシングWBC世界バンタム級王者中谷潤人（26＝M・T）が日本人対決の統一戦につながるKO劇を狙う。 　10月14日、東京・有明アリーナで同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ（30＝タイ）との2度目防衛戦に向け、30日には相模原市の所属ジムで練習を公開。シャドーボクシング、サンドバッグ打ちなどを披露し、軽快な動きをみせた。 　戦績76勝（53KO）1敗の挑戦者ペッチの前リングネームはタサーナ・サラパット。18年12月30日、現WBA世界同級王者井上拓真（28＝大橋）にWBC世界同級暫定王座決定戦で判定負けした黒星が唯一の敗退となる。前日10月13日、先に井上が堤聖也（28＝角海老宝石）との3度目防衛戦を控えており、来年には両王者が希望する統一戦への期待が高まっている。中谷は「統一戦をやりたい気持ちがある。まずは自分の試合に集中している」と心境を口にした。 　ペッチの「倒し方」で比較されることになる中谷は「それほど（井上との差をみせる）こだわりは持っていない」と前置きしつつも「形としてそういう風に持っていければいい。ペッチ選手と戦ってどう倒していくかに集中している。（KOへの）アクションをして、そういった形につながるように行動したい」と3戦連続KO勝利への意識を高めた。 　8月22日に渡米し、約1カ月間の合宿で計160ラウンドのスパーリングを消化。19年6月のフィリッピ・ルイス・クエルド（フィリピン）戦以来、約5年4カ月ぶりのサウスポーとの対決となる。「今回、サウスポーとの対決は久々で、また対左の強さをみせられたら。大きい試合、統一戦に向けての意識も常に持っているのでアピールしたい。3発ぐらい、キーとなるパンチを意識して練習してきたので、そこをお見せできたら」と自信の笑みを浮かべた。 　所属ジムの村野健会長は「いろいろな面、体重、コンディション含めてしっかり仕上がっている。コンディションはバンタム級に上げてからすごくいいし、楽しみ。緊張感を抜かないように」と気持ちを引き締めていた。【藤中栄二】