首位陥落の巨人 内外野3つのポジション守る「岡本和真の起用法」がカギに
主砲が打てば、チームが勢いづく。「四番・左翼」で出場した7月27日のDeNA戦(横浜)では、1点リードの5回に森唯斗の真ん中高めに浮いたフォークボールをきっちりとらえ、左中間フェンス直撃の適時二塁打。リーグトップの55打点に伸ばした。ただ、相手バッテリーのマークが厳しいため、なかなか甘い球が来ない。7月13日のDeNA戦(東京ドーム)から14試合連続ノーアーチ。敵地・甲子園での阪神3連戦も13打数2安打、5三振と封じ込まれた。
V奪回への熱い思い
3度の本塁打王に輝くなど6年連続30本塁打以上をマークしている主砲だが、リーグ優勝は20年以来遠ざかっている。22年からは2年連続Bクラスに沈む屈辱を味わった。巨人の球団創設90周年のメモリアルイヤーを記念して6月3日に発売された『ジャイアンツ90年史』では、坂本との新旧主将対談で、V奪回への熱い思いを吐露している。 「キャプテンだからどうというだけではなくて、2年連続Bクラスというのは僕らにとって、チームにとって名誉なことではないですから。歴史的にそうした経験の少ないチームが、自分たちの時代にそれをしてしまったというのは情けないことなので。今年はやり返さないといけないという気持ちはありますね」 「『常勝軍団』って言われる中でずっとやってきているというところはありまよね。『勝つ集団』であるべきだって。それが伝統なのかな。僕も知らない時代ですけど、ON、V9という時代があって、そこから続いてきた伝統というものは、ジャイアンツという球団にいると節々に感じる部分はあります」 緊張感あふれる試合は今後も続く。頂点に立つために、攻守での活躍が不可欠であることは間違いない。岡本和をどの守備位置に入れて打線を機能させるかも、チームの命運を握る大きなカギになりそうだ。 写真=BBM
週刊ベースボール