<ディズニー>日本のアニメに注力する理由 最高のストーリーテリングを世界へ
ディズニー発のアニメーションには約100年にもおよぶ歴史がある。その影響を大きく受けた“日本のアニメ”は独自の進化を遂げ、今や世界中で人気を博し、大きな注目を集めている。各動画配信サービスが日本のアニメに注力する中、ディズニーの動画配信サービス「ディズニープラス」も2021年に日本のアニメの配信に本格参入した。なぜ、ディズニーは日本のアニメに注力しているのか? ディズニープラスの日本のアニメーション責任者の八幡拓人さんに聞いた。 【写真特集】話題作続々 ディズニープラスが独占配信するアニメ
◇10年で大きく変化したアニメ市場
2021年10月、ディズニープラスは「スター」というブランドを立ち上げた。それまではディズニー、ピクサー、マーベルなどのコンテンツを中心に配信してきたが、新たなブランドでは、最新映画、オリジナル作品、アニメを含む日本のコンテンツを大きく拡充した。
「2021年、スターというブランドがオープンし、アニメだけではなくて実写を含めた日本コンテンツに対して改めて注力していこうとしました。今や日本のアニメは、一部の限られたファン層に向けたジャンルでは全くなくなっていて、日本のエンターテインメントを牽引(けんいん)しています。私たちのサービスは、子供から大人まで男女問わず楽しめる作品を配信しています。日本のアニメは、Z世代へのエンゲージメントの高さを期待していることもありますが、幅広い層の方に楽しんでいただけるジャンルだと思っています。」
この10年ほどで、国内のみならず世界での日本のアニメの需要は大きく高まっているとも言われている。マニアックなものではなく、より一般的になっている。
「10年前から非常に大きな変化を遂げているのは間違いありません。今、日本のアニメは、黄金時代に突入しています。マーケットの規模としても3兆円を超え、最高を更新し続け、限られたファンに向けたものから、より一般的になっています。10年前と比べて、何が変わったかと言いますと、ビデオグラム、テレビ放送をセットでビジネスを考え、ビデオグラムを買っていただける層に向けて作品を作っていました。ビデオグラムは今ももちろんあるのですが、配信が一般的になり、ターゲットも国内には限らなくなってきました。配信の台頭が、グローバルに広まってきた理由です。世界のユーザーに向けたコミュニケーションツールとして非常に大きな役割を果たしていて、日本のアニメはまだまだ進化を遂げている途中にあると考えています」