特集「キャッチ」中洲の夜間保育園 園長は現役のスナックのママ「中洲で働く親も子どもも安心できる場所を」 福岡
FBS福岡放送
特集キャッチは、福岡市・中洲のすぐそばにある「夜の保育園」が舞台です。新型コロナの5類移行後繁華街が活気を取り戻す中で、保育園にも変化が見えています。様々な事情を抱えて夜に子どもを預ける親たちに寄り添うのは、異色の経歴を持つ園長です。
0歳から2歳のおよそ20人が通う保育園、「マミーハウス」です。 ■園児たち 「おいしい。」 「いっつも食べてるよ、全部。」 九州一の歓楽街、中洲から歩いて2分ほど、商店街の一角にマミーハウスはあります。この保育園に子どもたちが集まるのは夜です。 園の預かりは午後2時から深夜3時までで、利用する保護者の多くは中洲で働く女性たちです。 ■保護者 「3歳、4歳になったら、お昼の保育園に預けようかなとは思っているけど、それまでは貯金もしたいので夜(の仕事)の方が効率がいいかなと。かわいそうだなと思うときはあるけど、やっぱり普通の子とは生活スタイルが全然違うので。」
■保護者 「バイバイ。」 「この時間じゃないと仕事に行けないので、ありがたいですね。」 ■保護者 「2人とも1歳前から(預けている)。(中洲で仕事を続けられるか)不安だったけど、先生たちもとてもいい人たちばかりなので、不安は今はもうないです。」 母親たちは、小走りでネオンが瞬き始める中洲のまちに向かっていきます。
保護者を送り出したマミーハウスで子どもたちを見守るのは、園長の草野真由美さん(57)です。 ■マミーハウス園長・草野真由美さん(57) 「テーマは自立。子どもたちが自分のことを自分でやるというのを目標にしている。」 子どもたちは午後8時ごろ部屋の中で体を動かしたあと、徐々に心と体を落ち着かせていき、午後9時に眠りにつきます。 マミーハウスのように、午後10時以降の深夜帯に預かりを行っている保育園は、福岡市内で14か所あります。
夜間保育には、昼間とは違う難しさがあるといいます。 ■草野さん 「(保育園に)来た時の心の落ち着きって、朝(登園)のところだと、起きてご飯を食べて、まっさらのままで来られるからいいですが、うちはやっぱりその前にいろいろなことが起きているし、お母さん方もシングルの人が多いので、その辺の子どもたちの葛藤もあるかなと思うんですが、だからこそここに来てからは、触れ合う時間も大切にして、それが子どもたちの未来につながればいいと思っています。」