「道長が佑くんでよかった」まひろ役の吉高由里子 気難しいヒロイン魅力的に「光る君へ」
平安時代に長編小説「源氏物語」を執筆した紫式部の人生を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」。主人公のまひろ(後の紫式部)を演じたのが吉高由里子だ。ヒロインというには、気難しくとげのあるまひろを、嫌みなく魅力的に演じた。15日の最終回放送を前に、吉高がまひろ役への思いや撮影を終えた心境を語った。 【写真】大河ドラマ「光る君へ」の撮影がクランクアップした吉高由里子と柄本佑 ■お互いが生きる糧 10月のクランクアップまで1年半かけてまひろを演じてきた。源氏物語を執筆するまひろの人生を描いた今作だが、「ラブストーリー大河」と言われるほど、まひろと道長(柄本佑)の関係が視聴者の印象に残った。 身分の差から、まひろと道長は結婚という形で結ばれることはなく、物理的に会えない時期も長かった。まひろと道長はそれぞれが月を見上げる場面が多くあったが、「月を見上げるイコールまひろを思う、イコール道長を思うという描写。月がない日はない、じゃないけれど、(お互いが)いない日がないくらい一心同体、お互いが生きる糧となる存在だった」と語る。 まひろに作家として書くきっかけを与え、創作活動を支援したのは道長だった。道長に対しては「感謝の気持ちが1番大きいんじゃないかな」。物語を書くことでまひろはまひろでいることができた。「書いている瞬間だけは自分を大事にできている。まひろは自分のためより、誰かのための方が頑張れるタイプだと感じていました」 ■ソウルメイトの最終形態 男女の関係を超え、つながりを深めてきた2人の関係は「ソウルメイト」と表現されてきた。 印象に残っているのが、第42回だという。宇治で療養する道長の元をまひろが訪れた。「民のためのよりよい政」というまひろとの約束を守れず、自分も信じられなくなった道長。まひろも、物語を書き終え、自分の役割は終わったと感じていた。誰にも見せられなかった本音を吐露し、お互いが「生きてほしい」と願っていることを知った。「この2人の会話、距離感はもう恋愛でも友情でもない、達観した世界。いよいよ最終形態というか、ソウルメイトの感じがすごく出ていたと思います」 まひろは、第28回で娘・賢子を出産。だが、道長の子供だということは秘密にしていた。源氏物語を書き終え、旅に出ることにした第45回で道長に賢子の出生の秘密を告げた。