東大出身の須山、初の幕下で4連敗 元十両朝乃若に物言いの末に惜敗も「あと3番」残りへ前向き
<大相撲九州場所>◇8日目◇17日◇福岡国際センター 東大出身で東幕下34枚目の須山(27=木瀬)は、4連敗で負け越しが決まった。最高位は東十両4枚目の関取経験者、朝乃若(高砂)との一番は、相手の立ち合い変化にも落ちず、すぐに体勢を立て直して突いて出た。相手を土俵際まで追い詰めたが、最後の最後にひらりとかわされた。相手も土俵を割っており、同体ではないかと物言いがつく際どい勝負だったが、惜敗。行司軍配通りに引っ掛けで敗れ、0勝4敗となった。 立ち合い変化は「あるかも、とは頭にあった。思い切って攻めていった」と、動揺することなく取り切れた様子だった。それでも勝負審判の親方衆による協議は「負けているかなと思っていた」と、冷静に見ていたという。 関取経験者との顔合わせは、今年夏場所で元十両の大雷童に敗れて以来、2度目だったが、またも関取経験者からの白星、さらには幕下での初白星はならなかった。須山が破った相手の最高位としては、非公式には前相撲で対戦した今関(現東俊隆、最高位西幕下8枚目)がいるが、番付にしこ名が載ってからは、最高位西幕下20枚目の千代の勝。今後は、ここからの更新、関取経験者からの白星も目指すことになる。 三段目だった先場所で6勝1敗の好成績を収め、今場所は大きく番付を上げ、国立大出身としては歴代最高位を更新した。埼玉大から大相撲に進んだ現在は三段目の庄司(武蔵川)が、20年春場所で東幕下43枚目まで番付を上げていたが、これを上回った。ただ、今場所ここまでの戦いぶりを振り返り「(相手が)強いですね。なかなか前に出られないこともあった」と、唇をかみながら話した。それでも「負け越してしまったけど、あと3番、頑張りたい」と力説。関取経験者相手にも、白星寸前まで迫ったことを前向きに受け止め、前を向いていた。【高田文太】