「今の君は...」誠実で今も独身の元カレが言い淀んだ「衝撃的な言葉」で、40代の婚活は完全にゼロ地点へ【フリーアナウンサー住吉美紀】
フリーアナウンサーの住吉美紀さんが50代の入り口に立って始めた、「暮らしと人生の棚おろし」を綴ります。 初恋のRくんがアメリカから会いにきてくれたおかげで、砂漠のように乾き切った42歳の心が潤され、パートナーなる存在に自分が求めていることがはっきりした。 私は最早、大恋愛がしたいわけではなく、もっとサステナブルで穏やかな関係を求めていた。互いを尊重できて、親友のように語らえる相手と、見つめ合うのではなく、肩を並べ同じ方向を見ながら、日常を分かち合いたかった。目的は恋愛そのものではなく、楽しく温かい暮らしをつくること。これがわかれば、今までとは違う希望が見出せるのではないか? 私はすぐにギアチェンジをし、新しいプロジェクトが如く、取り組んでみることにした。 まず、そういう関係になれる人は誰だろう、と考えた。友達のように仲がよかった元カレの顔が浮かんだ。私は別れた人とは、ひどい別れ方で二度と会いたくないくらいか、長い友達のような関係が続くか、両極端のどちらかに分かれる。 友達として続く元カレの場合は、嫌いになって別れたわけではなく、その時の状況から別れてしまったケースだ。人としては引き続き信頼していて、尊敬するところもあるから繋がりをぷっつりと切る必要がない。そんな風に細く長く繋がっている元カレが、ふたりいた。 意を決して、久しぶりにご飯でもと連絡し、可能性を探ってみることにした。 ひとりは、SNSで独身と表示されていたのに、会ってみたら結婚していた。「ヤダ~、ちゃんと表示して~笑」という感じで、近況報告で終わった。仕方なし。でも、お互い元気に生きていることが確認し合えてよかった。 もうひとりは、独身だった。久しぶりに会っても素敵なまま、少し大人になっていた。相手を騙すのも、不思議がらせるのも嫌で、正直に考えていることを話した。巡り巡って、“私たちアゲイン”はないものかと。彼は、なるほど、付き合っている人は今いないけれど、まだわからない、と言った。
何度かご飯を食べたり、思い出の場所に行ったり、デートをしてみた。話が合うところも変わっていない、と私は思った。お互いの人柄や家族のことなどは既に知っているという、安心感や信頼感も心地よかった。最初に就いた仕事をやめて、自分に本当にしっくり来る職場を見つけて働いている、そんな近況を聞いて、そうそう、そういう人だった、と思い出した。とても丁寧で誠実、ぞんざいな感じが一切ない。うれしいな、と思った。
住吉 美紀