稀代の美食家「北大路魯山人」が食べていた“酢飯”は砂糖ゼロだった…江戸前寿司の元祖「華屋与兵衛」が“赤酢”にこだわった理由
黄変米事件の衝撃
赤酢は甘味とうま味が豊富なため、あとは塩だけで充分に美味しい酢飯を作ることができるという。 となると、新たな疑問が浮かぶ。なぜ酢飯に砂糖を入れるレシピが一般化したのだろうか。私市氏は「その謎を解くためには、赤酢と酢飯の歴史をさらに詳しく振り返る必要があります」と言う。 第2回【なぜ昔の酢飯は甘くなかったのか…老舗「食酢醸造」会社代表が明かす、寿司屋に大打撃を与えた「事件」と、世界が認めた「赤酢復活」の背景】では、1952(昭和27)年に発生した黄変米事件が赤酢と酢飯に与えた大きな影響や、赤酢復活の経緯、家庭で砂糖の少ない酢飯を作るレシピなどをお伝えする──。 註:広辞苑は「寿司」と書くのは当て字としている。 デイリー新潮編集部
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