不信任決議受けた議会解散、近年は7件 うち5件で失職 岸和田市議選、費用上振れ懸念も
大阪府岸和田市の永野耕平市長が24日、女性問題を理由に議会が永野氏への不信任を決議したことを受け、議会の解散に踏み切った。混乱した行政の正常化を図るための不信任決議を受けた首長が議会を解散させるケースは全国でも見られるが、有権者の負託を受けた議員を任期途中で失職させるだけに重い決断といえる。 【ひと目でわかる】女性トラブル発覚後の岸和田市長をめぐる動き 総務省によると、国内市区町村の首長に対し議会が不信任案を可決した事例は、平成26年度~令和4年度で10件。このうち7件で首長が議会を解散し、改選後の議会で再度不信任案が可決され失職したのは5件となる。 不信任決議の理由の多くは行政の混乱や議会との関係悪化などだ。奈良県宇陀市では令和2年、市が保有する宿泊施設の指定管理を巡り、市と議会が対立。当時の高見省次市長は不信任決議を受けて市議会を解散し、改選後に再度不信任決議され失職した。 一方、群馬県みなかみ町では平成30年、当時の前田善成町長がセクハラ疑惑で町議会に不信任案が提出され1度目は否決されたものの、異例の2度目の提出で可決。前田氏は町議会の解散に踏み切り、こちらも改選後に再度不信任決議を受けて失職した。 岸和田市では議会解散を受け今後、40日以内に市議選が実施されることになった。 市選挙管理委員会によると、昨年4月の統一地方選で実施された市議選の費用は約7300万円。担当者は「人件費や資材価格が高騰しており今回はさらに膨らみそうだ」とみる。議員の任期を2年以上残す中での今回の議会解散は、永野氏の女性問題に端を発するだけに、市民の理解は得られにくそうだ。(山本考志)