相次ぐ強盗 防犯ガラスの問いあわせ増加も「入られた後の対策必要」
関東地方で8月以降、民家などが狙われる強盗事件が相次いでいる。窓ガラスを割るなどして侵入し、住民を縛ってけがをさせ、現金や腕時計を奪うといった手口が目立つ。いつ狙われるかわからない犯罪に、どう備えればいいのか。防犯対策に詳しいセコムIS研究所の浜田宏彰研究員に、できる対策を聞いた。 【写真】手足を縛られた男性が死亡していた横浜市青葉区の住宅付近は、警察官が行き交い騒然とした雰囲気に包まれた 浜田研究員は「入らせないための事前準備」だけでなく、「入られてしまった後の対策」も必要だと強調する。 まず家屋への侵入を防ぐための手立てとして、補助鍵や窓を開かなくするサブロック機能や防犯ガラス、防犯フィルムの活用を挙げた。防犯フィルムは一部分だけ貼っても、強い力を加えるとそこだけ抜けてしまう可能性があるため、ガラス全面に使用するのが望ましいという。 セコムでは、防犯ガラスに関する問い合わせが増えており、10月上旬は9月下旬の4倍になった。相次ぐ強盗事件が影響しているとみられるという。 ■センサーライト 特定の家狙いは「効果薄い」 家屋に近づくと光るセンサーライトや防犯カメラを設置すれば、犯行を躊躇(ちゅうちょ)させる効果はある。ただ、浜田研究員は「通常の窃盗では効果があるが、闇バイトで特定の家への侵入を指示された強盗には、効果は薄いだろう」と指摘する。 これらの対策をしても無理やりこじ開けられ、家屋に侵入される可能性がある。過去には強盗の被害に遭って命を落とすケースもあった。 侵入されたらいつでも通報できるように携帯電話をそばに置いておき、閉じこもれる鍵付きの部屋を用意することが有効だ。周囲の人に通報してもらえるように、日頃から近所づきあいをしておくことも大切だという。タンス預金などの情報を周囲に漏らさないことも重要だ。 また、闇バイトが絡んだ強盗では、犯人が指示役から言われるがままに襲ってくる可能性があるため、浜田研究員は「命を守るために、間違っても戦おうとしないで」と呼びかける。(板倉大地)
朝日新聞社