[知りたい!介護保険]自宅で暮らしながら利用できるサービスは?…24時間365日対応のものも
介護保険サービスは、大きく分けると、自宅で暮らしながら利用するものと、介護施設に入所して受けるものがあります。今月から、在宅生活を支えるサービスを紹介します。 【図表】介護保険サービス 利用料金の目安
「訪問介護」は、ヘルパーが利用者宅を訪れ、決まった時間内で必要な介助を行います。入浴やトイレ、食事などの身体的な介護や、料理、掃除、買い物といった日常生活上の手助けが主な内容です。病院に行く時、タクシーに同乗してもらい、乗り降りを手伝ってもらうこともできます。 ただ、何でも頼めるわけではないので注意が必要です。サービス内容は、利用者本人のためで、生活に必要不可欠なことに限られます。例えば、同居する元気な家族の分の洗濯や料理、庭の草むしりやペットの世話などは含まれません。利用できるのは「要介護1~5」の人です。
利用料金は、受ける介護の内容や時間によって異なります。自己負担割合が1割の人が、30分以上1時間未満の身体的な介護を受けた場合、1回につき387円です。日常生活上の手助けであれば、45分以上で220円です。 点滴や服薬の管理、床ずれの処置など、医療的なケアが必要な人は、「訪問看護」サービスが受けられます。看護師が訪問し、医師の指示に基づいて対応してくれます。 寝たきりの人など、ヘルパーのサポートがあっても、自宅の浴槽で入浴するのが難しいことがあります。その場合、ポータブルの浴槽や防水マットなどを積んだ車で訪問し、職員が入浴の介助をする「訪問入浴介護」というサービスもあります。要支援の人は1回856円、要介護の人は1回1266円です。 これらのサービスは、利用する日時をあらかじめ決めておき、訪問1回ごとに料金が発生します。
これに対し、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」では、24時間365日の対応が可能で、定期訪問に加え、体調を崩した時などにも、利用者の呼び出しに応じて随時、看護師やヘルパーが訪問します。「朝晩の服薬の見守り」といった短時間の訪問を、1日に複数回行うなど、生活リズムに合わせて柔軟に利用できます。 対象になるのは「要介護1~5」の人です。料金体系は、要介護度ごとに1か月の基本料金が定められています。例えば、要介護3で、看護師の訪問を受けるなら1万8948円、介護のみなら1万6140円です。 介護サービスを利用するには、どのサービスをどんなスケジュールで使うかを「ケアプラン」(介護計画)にまとめます。地域の介護サービスに詳しいケアマネジャーなどに頼むのが一般的です。 奈良市の居宅介護支援事業所「つむぐみらい」のケアマネジャー山崎理央さんは「利用者の希望や介護する家族の事情などを丁寧に聞き取って計画を立てます。何に困っているか、どんな生活を送りたいのか、明確に伝えてほしい」と話しています。(小沼聖実)