ウォルター・スミス三世、ブルーノートからの2作目は故郷ヒューストンに捧げるカルテット作品
2006年のデビュー以降ハービー・ハンコックやジェイソン・モラン、テレンス・ブランチャード、マリア・シュナイダーなどと共演、常にシーンの先端で活躍を続けるサックス奏者ウォルター・スミス三世(Walter Smith III)が、ブルーノートからは2作目となるアルバム『three of us are from Houston and Reuben is not』を9月27日(金)に発表します。先行シングル「Cezanne」が公開されています。 「3人はヒューストン出身だけど、リューベンはそうじゃない」というタイトルのとおり、アルバムはヒューストン出身のスミス、ジェイソン・モラン(p)、エリック・ハーランド(ds)、そしてヴァージン諸島出身のリューベン・ロジャース(b)によるカルテット作品。収録曲はスミスのオリジナル曲10曲とサム・リヴァース作の1曲で、イマジネーション豊かなパフォーマンスが繰り広げられています。 先行シングルの「Cezanne」は、滑らかでありながら揺れ動くリズムが魅力的な曲だが、ここで言う「Cezanne」とはフランスのポスト印象派の画家であるポール・セザンヌではなく、かつてヒューストンで人気だったジャズ・クラブ、セザンヌ。先行シングルはこのジャズ・クラブへのオマージュです。スミスは「90年代後半に高校生だった頃、セザンヌは素晴らしい音楽が聴ける場所だった。そこでは音楽はBGMではなかったし、真剣に向き合うリスニング・ルームのような場所だった。僕たちにとってのヴィレッジ・ヴァンガードだったよ」と語っています。 そのヴィレッジ・ヴァンガードで、10月1日(火)から10月6日(日)まで彼らはリリース記念ライヴを行ないます。アルバムのために新しいカルテットを結成した時、メンバーのうち3人がヒューストン出身で、リューベンがそうではないことに気づいたスミスは「それが作曲のインスピレーションに繋がった(笑)。レコーディング・セッションの終わりにアルバムの名前を考えていたけど、ほとんどのアイディアがひらめきに欠けていたんだ。でも、アルバム資料の最初のページを見て、“これで決まり”と言ったよ。バンドのテーマと個性が表現されていたからね。(ヒューストンのある)テキサスは石油、銃、政治だけの場所ではなくて、テキサスを思い浮かべるときに多くの人が思い浮かべない、文化的に豊かなコミュニティが繁栄しているんだ」とコメントしています。 Photo by Travis Bailey