逮捕保留、主任検事が「検討すると返答」 進言の検事が証言 プレサンス国賠訴訟
学校法人の土地取引を巡る横領事件で大阪地検特捜部に逮捕、起訴され、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の山岸忍氏(61)が違法捜査を訴えて国に賠償を求めた訴訟の口頭弁論が14日、大阪地裁(小田真治裁判長)であり、11日に続いて捜査を担った検事の証人尋問が行われた。山岸氏の逮捕当日に「逮捕は待った方がいい」と上司に進言していた男性検事が出廷し、進言の経緯を振り返った。 男性検事は、学校法人の元理事(57)=業務上横領罪で有罪確定=の取り調べを担当。元理事は逮捕後に一時山岸氏の関与を認めたが、その後撤回。山岸氏の刑事裁判で、元理事は「認めないと(自身の)量刑は変わらないと言われた」と訴え、裁判所は供述の信用性を認めなかった。 証人尋問に先だって提出された陳述書によると、元理事が供述を撤回したのは山岸氏の逮捕当日。男性検事は「より慎重に検討するべき」と、主任検事に逮捕の延期を進言。訂正調書の作成も打診したが、いずれも実現しなかったという。 この日の尋問で男性検事は、進言の理由について「元理事の撤回前の供述が山岸氏を逮捕する証拠の一つになっていると思ったので、主任検事に報告した」と証言。主任検事からは「検討する」と返答があったとした。