【解説】天安門事件から35年…台湾で追悼式典開催 “事件語る自由”の後退に…遺族グループ“死者83名”の写真公開
「政府は香港をぶっ壊し続ける」
青井 キャスター: ーー中国当局による締めつけも厳しくなっているが、今後どうなるのでしょうか? 立石 取材センター室長: かつては香港でも天安門事件の追悼集会が自由に行われてきたが、習近平政権のもとで香港国家安全維持法が施行され、2019年以後は追悼集会が開かれていない。 立石 取材センター室長: そうした状況を受けて、香港から台湾へ移り住む人々も少なくない。台湾で香港式カフェを経営するアンディーさんもその1人で、「政府は香港をぶっ壊し続けている。昔の人が築いた香港はもうない。台湾にいると自分の本音が言える」と話している。 宮司 キャスター: 香港では、「常に相手がスパイかもしれない…とおびえる日々だった」とも話しています。 立石 取材センター室長: アンディーさんのお店の店内には、香港ではタブーとされている自由や民主主義を訴えるカードが壁一面に貼られ、中国の体制を批判する書籍も並んでいた。 店内には、子ども向けの本もあった。アンディーさんは「台湾の子どもたちが自由に学び、自由に将来を選べるように」と話していた。 これは、台湾市民にとっても香港で今起きていること、中国に取り込まれればどうなってしまうのかという意味から、人ごとではないというふうに受けとめている状況だ。 スペシャルキャスター 山口真由さん: 自国の若者に戦車を向ける、中国政府の本質を明らかにする象徴的な事件です。しかし、中国はこれをなかったことにしようとしている。私より若い40歳より下の人は、この事件をまったく習ってないわけです。だからこそ、私たちは決して風化させてはいけない。報じ続けていかなきゃいけないんじゃないかなという気がします。 立石 取材センター室長: 中国ではこの35年間、事実上、歴史からこの事件を抹消してきたということになる。4日も、月の裏側に探査船がついたというようなニュースを報じていて、天安門事件については触れていないという状況だ。 (「イット!」 6月4日放送より)
イット!