70歳になる妻の足腰が悪くなり、息子が「同居」してくれることになりました。「毎月10万円」の生活費を渡していますが問題ないでしょうか?
高齢のため、体調が悪くなったり足腰が弱くなったりして、生活に支障が出るケースは少なくありません。生活をサポートしてもらうために、子どもと一緒に暮らし始める方もいらっしゃるでしょう。 同居する子どもにお金を渡す場合、状況によっては課税される可能性があります。課税条件を知っておくと、子どもの負担を減らせるかもしれません。今回は、「生活費」としてお金を渡すことに問題はないのか、また子どもと同居するときの注意点についてもご紹介します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
生活費のみの負担なら税金はかからないと考えられる
基本的に、両親側から「生活費」としてお金を渡している場合は、贈与税はかからないと考えられます。国税庁では、「親子や夫婦間などで生活費、教育費として得た財産で、通常必要と認められる範囲であれば贈与税がかからない」としています。 日常生活に必要な費用は生活費に含まれるため、食費や水道光熱費などを含めて10万円を渡しても問題はないでしょう。ただし、生活費としてあまりにも高額であれば、税務署から指摘を受ける可能性があります。 総務省統計局の「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」によると、2023年時点で世帯主が60歳未満の勤労者世帯(2人世帯)の場合は、平均消費支出が月に29万537円です。また、項目別に見ると以下のようになります。 ●食料:7万343円 ●住居:2万8404円 ●光熱・水道:1万9357円 ●家具・家事用品:1万2139円 ●被服および履物:1万161円 ●保健医療:1万3145円 ●交通・通信:4万7304円 ●教育:1701円 ●教養娯楽:2万8569円 ●その他:5万9413円 子ども夫婦の支出が平均レベルであれば、「食費+住居費」として約10万円を渡しても、生活費の範囲内であるため問題はないでしょう。 ただし、受け取った生活費を、子ども夫婦が貯金に回したり株式に投資したりすると、その金額分が課税対象となるケースもあります。「生活費」として渡すことを、しっかりと伝えましょう。