郵便料金が10月から値上げ!郵便の「これまで」と「これから」を考える
「ポスト」といえば…
しかし、郵便は「出す人が減った」という大きな課題があります。 ピークは2001年度の262億通。最近は年間135億通とほぼ半減しているそうです。 これは、さまざまな通信手段が登場したことで、人も企業も郵便を使わなくなったため。 また「郵便ポストの数」も課題です。元々、郵便ポストはどこにでもあって、少し探せば見つかる便利なものでした。 現在「ポスト」といえば「X(旧Twitter)」に投稿することを指すため、そのうち若者の間で「ポスト」とは郵便ポストではなく、こちらになる可能性もあります。
1通も入っていないポスト
今、日本にある郵便ポストは17万5000本。 しかし、1ヶ月の間に30通ほど、つまり1日1通しか郵便を入れてもらえないポストがそのうち4分の1を占め、1通も入っていないポストも4%あるといいます。 しかし「どうせ入ってない」と集めに行かないわけにはいきません。 この人手不足の時代に、あまりにも労力がかかりすぎです。 配達そのものも減っていて、2021年からは土曜日の配達がなくなっています。
郵便の「ユニバーサルサービス」
「ユニバーサルサービス」という問題があります。これは「誰でも同じようなサービスを受けられるようにするべき」という考え方のこと。 日本の郵便法の第1条には「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする」とあります。 つまり、たまにしか郵便物が入らないポストをなくしてもいい、ということにはなりません。この大命題が、日本の郵便には突きつけられています。
1~2年で再び赤字に
現在の郵便事業は、年間220億円の赤字。これを立て直すにはまずは「値上げ」ですが、これにも問題があります。 総務省の試算によると、値上げにより一時的に黒字になるものの、1~2年でまた赤字になると出ているそうです。 今回の値上げでまかなえる分よりも、郵便物の数が減る率、他に乗り換えられる率、人口が減る率の急激な影響が大きいということです。 郵便を新しいビジネスに結びつける、手紙を完全にないものにするなど、何かを考えていかないと、日本の郵便の未来は見えなくなってしまいます。 (minto)