【明日の金ロー】ヒロインは、あの大ヒット作品の姉妹を想起させる「塔の上のラプンツェル」
１１日の金曜ロードショー（後９時）は、グリム童話の「ラプンツェル（髪長姫）」が原作のディズニーアニメ「塔の上のラプンツェル」（２０１０年、日本公開は１１年）を本編ノーカットで放送。金ローへは約２年半ぶりの登場となる。 森の奥深くに隠されたように建つ塔に住む、金色に光輝く長い髪を持つ少女・ラプンツェルは、塔から一度も出たことのないまま、〝母〟と暮らしていた。だが、成長と共に好奇心が旺盛になってきたラプンツェルは、外の世界を知りたいと思うようになる。 １８歳になろうとする前の日、毎年自分の誕生日になると空に浮かぶ光の正体を知りたくなったラプンツェルは、塔から足を踏み出すことを決意。そんな時、塔に大泥棒のフリンが逃げ込んできた。フリンと「契約」を交わしたラプンツェルは助けを借りて塔の外へ。次々と新たな経験をする中で、自らに隠されていた秘密を知ることになる―。 本作はディズニープリンセスが登場する作品では初の３Ｄ作品。３Ｄと聞くと「飛び出す」というイメージがあるかもしれないが、記者は３Ｄの真骨頂は「奥行き」だと思っている。それだけに、「動き回るディズニープリンセス」としては一、二を争うと言ってもいいかもしれないラプンツェルの躍動感を表現するには、３Ｄはぴったりの演出だ。 また、ラプンツェルはその長い髪で他人を癒やすことができる「魔法の力」を持っている。「白雪姫」を筆頭に、プリンセスが周囲の魔法の力を借りてハッピーエンドを迎えるというのはディズニー作品の〝お約束〟ではあるが、自身が魔法を使えるというのは珍しいと言えるだろう。 この「動き回る」と「魔法の力を持つ」という２つのキーワード。思い浮かぶのは「アナと雪の女王」だ。エルサは触れたものを凍らせるという魔法を使うことができるし、妹のアナは天真爛漫（らんまん）で活発なキャラクターとして描かれている。アナとエルサが城の中に閉じこもって生活していたという点や、エルサが自らを抑え付けることをやめ、「ありのままで」生きていこうとするのも、共通点を感じさせる。 そんなことを考えていたら、「アナ雪」には、ラプンツェルとフリンが〝カメオ出演〟していることを思い出した。映し出されるのは２秒程度なので、かなり目を凝らして見ていないと気付かないかもしれない。ヒントは「アナが『生まれてはじめて』を歌っているシーンのどこか」。興味がある人は、ぜひ探してみてほしい。（高柳 哲人）
報知新聞社
