上白石萌音「共感したり、同情したり、一切しない」 PMSとパニック障害がある主人公たちから学んだこと
俳優の上白石萌音さん(26)が、SixTONESの松村北斗さん(28)とダブル主演した映画『夜明けのすべて』(公開中)。この作品で、月経前症候群(PMS)に悩む主人公を演じた、上白石さんにインタビュー。PMSとパニック障害がある主人公たちの関係性から学んだことを明かしました。 【動画】上白石萌音 ロングインタビュー 「生理前は心が不安定に…」 月経前症候群(PMS)に悩む役を熱演
■当事者と寄り添う側を同時に演じて「おせっかいってうれしいなって」
原作は、『そして、バトンは渡された』で2019年に本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの同名小説。普段はおおらかな性格ですが、月に一度のPMSでイライラが抑えられない“藤沢さん”と、会社の同僚でパニック障害がある“山添くん”が、お互いの事情と孤独を知り、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく様子が描かれています。 ◇◇◇ ――藤沢さんが山添くんに対して「PMS」であることを打ち明ける場面があります。周りの人に悩みを打ち明けることは勇気がいると思いますが、どのように感じられましたか? 藤沢さんと山添くんが、途中から本当に気をつかわずに話ができるようになるのって、2人の人間的な相性の良さっていうのも一つあるとは思うんですけど、もう一つが「自分の中にためておくと、自分の心身に悪いから」というところがあると思うんです。 PMSとかパニック障害に限らず、生きている人みんなそうだと思うんですけど、少しでもストレスがたまらないように、モヤモヤが沈殿してしまわないように、「あなたにだったら私言える」と、ポンっと言っちゃう場面が増えていくんですよ。思ったことを、後先考えずにとりあえず出せちゃうってすごく健康的なことだと思いました。ただ相手によりますし、TPOがすごく大切なことなんですけど。2人はそれができる相手を見つけたんだなと、演じていてすごく思いました。 ――今回、症状や悩みを抱える当事者側と、悩む人に寄り添う側、2つの立場を同時に演じることで得た学びや気づきはありましたか? おせっかいってうれしいなって。人のために何かを思いついて、何かしてあげたいという気持ちがあっても、「迷惑かな」とか「そこまで欲してないかな」とか考えちゃうと思うんですけど、藤沢さんはそこを「えい!」っていける思い切りの良さを持った人で。そうすることで山添くんも「えい!」って踏み込んできてくれる。ちょっとズレてたとしても「こんなに思ってくれてるんだ」「気にかけてくれてるんだ」という気持ちがすごくうれしいので、「何かしてあげたいな」という強い気持ちがあったら「GO!」だと思いました。