欧州の新車販売台数、8月は16.5%減-ドイツでEV需要急減
(ブルームバーグ): 欧州自動車工業会(ACEA)が19日発表した8月の新車販売台数は前年同月比16.5%減の75万5717台となった。ドイツで電気自動車(EV)需要が急減した。
ACEAによれば、欧州最大の自動車市場であるドイツでの8月のEV納入台数は69%減の2万7000台強。 独政府による社用車向けEV補助金制度が終了する前に販売が急増していたが、その反動が出た形だ。
欧州一の経済大国でもあるドイツでは、欧州最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)が需要低迷を理由に国内工場を初めて閉鎖すると発表した。
EYの西欧担当モビリティー主任、コンスタンチン・ガル氏はリポートで、「ドイツ経済の勢いが増していない。消費者と投資家は様子見している」と指摘し、「地政学的な緊張と激しい紛争がセンチメントを圧迫している」との見方を示した。
先月の新車販売はフランスとイタリアでも減少。EVの販売低迷により、VWやルノーなどメーカー各社は来年発効する欧州連合(EU)の車両排ガス規制により、多額の罰金が科せられるリスクに直面している。EV販売台数が伸びたのは主要市場では、10.8%増の英国のみ。
ルノーなど各社はEV不人気と業界への潜在的なコストを踏まえ、EU当局にEVの目標値について「柔軟性」を持つよう強く求めている。
原題:Germany’s Slump in EV Sales Drags on Europe’s Auto Market (抜粋)
--取材協力:ドーソン・チェスター.
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William Wilkes